ベトナムは第2の中国にはなれない
ベトナムはよく、中国と比べられるが、これは当然だろう。
両国は政治体制も法律も似通っている。
また、ベトナムも中国と同じく約8.5%のGDP成長率(2007年度)をあげている。
「ベトナムは第2の中国ではない」というテーマで、研究結果を発表した。
同発表において「ベトナムは中国の様に有利な立場にはなく、
世界の貿易やインフレへの影響力も限られている」と報告された。
ベトナムが、1990年代の中国の南部と比べられる点は無理もない。
時給は約50セントと、アジアの中でも最低賃金であり、
多くの北アジアの生産会社が、ベトナムに投資した。
(過去5年間の対ベトナム投資総額の半分を占める)
実際、ベトナムは中国の様な良い投資環境を備えるため
道路・港等のインフラ整備を実施中だ。
ただ、RBSの報告書によると、世界貿易に対するベトナムの影響は少ないという。
「ベトナム人口は8400万人、香港に隣接する中国広東省の9300万人よりも少ない。
しかし広東省の輸出額は中国の総輸出額の30%を占めるに留まっており、
ベトナムはQuang Tay省(4,700万人)、Hunan省(6,300万人)、Tu Xuyen省(8,200万人)といった
近隣の省から労働力を動員することも可能だ。
RBSは、これは世界経済にとって良い情報だとした。
「中国からの労働輸出により世界的な物価上昇を改善できる。
ここ10年間
中国への投資は、主に香港・日本・韓国・台湾とアメリカから来ている。
これらの国の時給は、平均12.97ドル(2005年)だが、中国では0.5ドル程だ。
このため、生産活動を中国へ移すことで、人件費を大幅に削減することができる。
しかしベトナムの時給は、0.6ドル程だ。
このため、生産地を中国からベトナムへ移しても、さほどの節約には繋がらない。
RBSの知らせによると、多くの中国労働者がベトナムへ移動しているという。
ただ、申請が楽で利益率の高いため依然、中国への投資は続く。
中国の第三四半期の輸出金額が64%増加したのがその良い裏づけだ。
また、最近の中国で活動する香港の工場による調査によると、
ベトナムへ生産拠点の移行を検討している起業は14%に留まり、
一方で29%の企業は中国に留まりさらに生産規模の拡大を検討している。
このことから、同報告書は
「現在、ベトナムはアジアの龍かもしれないが、第2の中国ではない。
と評価した
Sanotc.com 2008年5月14日