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2008年05月16日

アジア圏 資金調達市場育成へ


Standard & Poor’sのアジア太平洋地域担当社長―Tom Schillerによる
「アジア各国の債券市場は、引き続き発展させる必要がある。」
を元にした分析を紹介する。

我々は、国際資本市場の不安定な状況や動向等に関し研究が必要だ。
アジアは、発展傾向にある債券市場を、より促進させることが重要だとしている。

借金市場からの、国内貨幣による投資資金調達能力は
アジア会社に対し、厳しい金融政策による最悪の影響を回避することに繋がる。
これらの厳しい金融政策は、多くの国際資本市場に大きな影響を与える。
このため、アジアの政策策定者は
これらの発展に向け、様々な実施をしなくてはいけない。

2007年の半ばから、国際市場による資金調達が困難になった後
国内市場は、アジア各社の困難な状況を支えてきた。
Standard & Poor’sの資料によると
アジア地域の国内市場における企業の新発行債券の価値は
2007年最初の9ヶ月で、2370億ドル、2006年の全体よりも55%増加。
アジア各企業の国際借金額を超えた。

これは
アジアの債券市場規模はまだ小さいものの、徐々に発展しているということだ。
この地域で最も発展している市場(発行債券/国内収入(GDP)の割合で計算)は
オーストラリア(55%)・マレーシア(43%)・香港(42%)・シンガポール(34%)・
中国(18%)と日本(17%)・インドとインドネシア(5%)だ。
これらは、強い発展潜在力が期待できる。
例えば、中国による近年の経済ブーム後の
企業社債保険率の急増だ(2005年末の13%から18%に)。
また、国家保険分野も急増した。

ただ、アジアは銀行システムによる影響が大きい。
資金貸出は、緊密に実施される。
これは、企業による借り入れ可能な資金が依然少ないことが原因だ。
不安定な資金供給源は、地域経済に更なる悪影響を及ぼす。
したがって、アジアの資金はアジア地域外に投資される。
資源を効果的に分け、リスクを制限し、地域全体の経済に悪影響を及ぼす。

最近に起こった案件は、国際資本市場による清算性の弱みを現した。
アジア各社が直ぐに使用できる資金を、自力で借りられることが重要性だ。
各国による現金清算能力は高いが、この能力を効果的に使用するため
アジア地域の債券市場活動促進・開発
特に、国内貨幣で債券を発行することが重要だ。

国際市場は、アジア機関と接する機会が多くなった。
国際市場は世界で最も信用性が高く、規模も大きい機関であるため
ドルやユーロによる債券発行は、金融リスクが発生する。
多くの場合、より小額な資金を借り入れる企業は、借り入れ先として銀行を選ぶ。
銀行からの資金借り入れは簡単だが
途中で返済する場合(アジアの財政危機時)
新たな資金借入れ窓口は、なかなか見つからない。

銀行からの資金借り入れは
債券市場が倒れた時のことを考えた場合、最良の選択だ。
この状況は、記憶に新しい。
ただ、各銀行が資金や清算性を確保するため
資金貸出をストップするという可能性もある。
また、銀行による貸出期限は短く、企業側からの清算期限延期は認めない。
個人の資金借り入れは、市場が不安定の時は良い。
各企業は、健全な資金借り入れ窓口を選択しなくてはいけない。
株式売却による資金から、他の借金(国債を含む)間で検討すべき。

アジア地域の債券市場の発展のため、さまざまな努力をした。
財政危機の背景において、アジア各国の中央政府と銀行は
国内貨幣市場を発展させるため
2003年、アジア債券市場開設に関する提案をした。
同イニシアティブによると、多くのワーキンググループが開設されたという。
アジア地域全体の財政活動を調整し、国内貨幣での債券発行問題を深く研究し
市場の発展を支えた。

これらの方策は、高い効果を発揮した。
2007年3四半期、日本・中国・韓国等の大市場による
国内発行債券は、前年より大きく上回ったが
アメリカやヨーロッパの国債市場は下落した。主に、利益の高い債券だ。

これは印象的な結果だ。
これにより、証券市場の自由化を支援した政策策定者は
規定を排除し、信頼を高めた。
ただ、これからは更に改善する必要がある。
アジア各国の債券市場は、まだ発展しておらず
様々な基準と規定に沿って動いている状態だ。
また、多くの市場の清算性は低く、初級市場の収入が異常だ。
これは、債券市場への参入を希望する国内外の投資家が、落胆する要素だ。
統一しないということは、投資家は市場の「遊び方」が分からなくなるということだ。
市場の清算性が低いと、投資家はあまり積極的に投資しなくなる。

政治家も、上記の問題をすぐに解決しなくてはいけない。
また、対策について実際的な見方をしないといけない。
国内資本市場を健全に発展させるためには
様々な要素が必要になるため、統一が困難だ。
このため、安定した取引場や信用できるmarket maker
また、債主の権利を保護する制度や多様な機関投資家を要求する。
所得税、取引監査規定は廃除されたが
特に最も高い清算性を要求する初級市場に優遇を求める。
透明性の改善のため、独立信用評価活動を促進しなくてはいけない。
情報調達スピードや信用リスクの評価能力が、アジア地域ではまだ弱い。
各国では自国の弱みを抱いている。
中国では、債券を発行するために、最低でも3機関の許可を得なくてはいけない。
世界では、債券市場がOTCで動いている。
また、インド政府は証券取引所に上場するため努力している。
債券発行機関は、取引管理の代わりに、上場の複雑な手続きをしている。
中国・インドネシア・マレーシアでは、社債市場の紙による売買を禁止しているため
外国投資界が要求する投資保護は、受け入れない。

活躍する債券市場は、企業へ様々な資金に接する機会を与え、リスクを削減する。
これが市場になかったため、アジア経済は1997年、困難になった。
現在の債券市場の発展により
アジアは、アメリカやヨーロッパで広がる経済危機による影響を避けられる。
政策策定者は
過去の勉強を深く記憶し、債券市場の発展を支えるため
各規定をどのように改善するのか、慎重に検討すべきだろう。


FinanceAsia  2008年5月15日


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