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2008年07月10日

魅力的なTOP10市場ランキング、圏外へ?


各国際機関の評価によると、
ベトナムは2007年~2009年で、最も魅力的な投資10カ国のリストに入っているが、
人材育成の点でこの評価に合わない。

各銀行間で競われる人材ハンティング

ベトナム商工会の「労働者からみる2007年ベトナム企業の能力評価」報告によると、
ベトナムの人材開発指数(HDI)は引き続き改善している。

2006年の職業及び失業状況の調査結果によると、
全国4560万人の労働者のうち、
94.2%が就労年齢に達しているが、45.46%を15歳~34歳の労働者が占める。
ここで急を要する問題は、研修を得た労働者の構造である。

具体例

繊維分野:
 労働人材に強みがあるが、
 低賃金のうえ、高い競争環境で働く能力を持つハイレベルな労働者が不足しており、
 他の国より作業能率が低い。

建設分野:
 人材は210万人、社会全体の労働人材の5%を占める。
 しかし、建設分野の機材化がまだ積極的に行われていないため、
 労働者に対する機材の整備がまだ充分に行き渡っておらず、
 労働能率に悪影響を与え、労働事故が起こりやすい。

観光分野:
 人材配置のバランスが悪い。
 南部50%、北部40%、残り10%が中部に配置されている。
 しかし、文化遺産が最も集まっているのが中部であり、観光客を一番集められる場所に人材が少ない。

銀行分野:
 活動中の銀行規模が急拡大し、新しい銀行が一列に設立されるため、
 各銀行の間では、優秀な人材収集を競っている。
 この現状は、信用機関の経営・運営の質に悪影響を与える危険がある。


海外直接投資(FDI)企業の労働人材に関する予想

FDI資金の調達能力に影響を与える重要な要素は、ベトナムの人材開発状況である。
FDI及び国内投資資金は、主に生産分野、不動産分野、銀行、保険、観光分野に導入されるが、
医療分野、教育分野へ導入される資金は非常に少ない。 FDI企業の中では、繊維企業が一番多くの人材を求めている。 食品加工企業にも多くの人材が必要であるが、今後この分野の雇用数は徐々に減ってゆく。 建設・観光分野は、あまりFDIを調達できないため、 FDI企業の労働需要はあまり高くなく、今後減らす傾向にある。 生産・加工工業分野で働いている労働者には、技能や学歴をあまり求めないが、 銀行等のサービス分野では高学歴が前提である。

したがって、質が高い労働人材の需要が、FDI企業、特にサービス、銀行サービス分野で急速に増加している。
保険分野で活動しているFDI企業は、
銀行財政サービス分野で活動しているFDI企業と競争しなくてはならないため、仕事数は増えない。
つまり、FDI企業が求める労働人材の質は、国営・民間企業より高い。
そのため、FDI企業の労働者の雇用は、そう簡単ではない。
国営・民間企業からFDI企業に移転する人材は、FDI企業の条件を満たす事は難しいだろう。


ベトナムが魅力的な投資市場のTOP10に入ったことは、
ベトナムにとって機会でもあり、挑戦でもある。
現在のFDI投資申請額により、
労働人材の面で充分な準備がなされない、又は、合理的な経済政策を適用しないと、
ベトナムに対する海外投資家の評価に影響を与える可能性がある。


投資紙  2008年7月9日


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