« 銀行利益 好調の理由 | メイン | 【証券】第2四半期業績 好調も慎重論多 »

2008年07月21日

鉄工業分野 投資案件急増


ベトナムの鉄工業分野が注目を集めている。
東南アジアで今までにない、投資資金、生産規模の鉄加工プロジェクトが次々と出て来ている。

首相が批准した計画によると、
ベトナムの鉄製品の需要は、
2010年まで1000万~1100万トン、
2025年まで2400万トン~2500万トンになる。

Pham Chi Cuongベトナム鉄協会会長(VSA)によると、
この計画を達成するためには、ベトナムで今後10年間、1~2の鉄加工工場を建設すれば充分である。


多くの鉄加工プロジェクトに投資許可を発給

今までにいくつもの鉄加工工場の建設案件が公表された。

例えば、Dung Quat工業団地(Quang Ngai省)における
Tycoon- E.United鉄工場が、06年に投資を許可された。
最初、この工場は、台湾のTycoon会社と中国のJinnan会社の合弁会社であり、
生産能力は年間500万トン、投資総額は10億ドルであった。
その後、中国のJinnan会社が撤退し、
代わりに台湾の E-United会社が90%を投資、
残りの10%をTycoon会社が出資する。
そのため、この工場は100%台湾のものであり、投資総額は30億ドルになった。
このプロジェクトは07年10月に起工され、
最初の生産能力は年間300万トンである。

この案件よりもさらに規模が大きいものが、
Fomosa-Sunco合弁鉄工場である。
この工場はHa Tinh省Vung Ang工業団地に建設され、
08年6月11日 投資許可を発給、
08年7月6日 3035万平米の敷地にて起工した。
この工場も100%台湾のものである。
Formosaグループが95%出資し、SunSoが5%出資する。
生産能力は年間1500万トン。
第1段階の生産能力が年間750万トン、投資資金が78億ドルである。
第2段階、台湾の投資家が生産能力を2倍に上げる予定(1500トン)であり、
この工場のための発電工場を建設する。

投資許可を発給され、実行された案件以外に
数多くの案件が投資申請している。
例えば、ベトナム鉄会社(VnSteel)とインドのTataグループの合弁会社である。
この会社はThach Khe鉄鉱山を開拓し、
生産能力は年間450万トン~500万トン。

次は韓国のPoscoグループとベトナムのVinashin会社の合弁会社である。
Khanh Hoa省Van Phong湾に所在し、
生産能力 年間100万トン~400万トン。
しかし、2008年6月、Vinashinが自社の重要プロジェクトへ出資するため、こちらの投資を辞退した。
従って、この案件は100%韓国のPoscoグループのものになる。
6月上旬、Poscoの投資案件がベトナム政府に提出され、投資認可を待っている。

他、マレーシアのLion GroupとVinashinの鉄工場である。
この工場はNinh Thuan省所在、生産能力は年間450万トンと予定されている。


投資案件を選ぶ

CuongVSA会長によると、上記の鉄工場が実際に建設されれば、
5~7年後には、ベトナムの鉄工業分野が一層発展し、
生産能力は年間数千万トンにもなる。

しかし、実際の投資を決定する前に、
各投資家がベトナム市場、及び、アジア各国の需要を研究する必要がある。
ベトナム市場、アジア市場にとっては、
今後5年の間に、500万トン~1000万トンの生産能力を持つ2つの工場を建設することが適切である。


上記の大規模のプロジェクトの中で、ベトナムが役割を持つのは、
VnSteelとTATAの案件だけである。
Thach Khe鉄鉱山の使用権に関する問題があるが、
残りの案件はすべて100%外国投資案件である。

従って、鉄分野への投資にかかる大量の資金や、
建設のための時間、他の分野より低い利益などの
ベトナム側が鉄工業分野へ投資する際のリスクを避けられる。

しかし、鉄工業分野は、国の発展において重要である。
分野の製品は全て、経済分野や国防と関係している。
外国側が100%出資すると、この重要な工業分野におけるベトナムの役割がなくなる。

あるベトナム要人によると、
100%外国企業が鉄工業分野に投資すると、
ベトナムは、技術面と環境汚染の面でしか監査できない。
さらに、ベトナムが直接各案件に参加しなければ、
この2つに関する情報さえも正しく入手できなくなる。

 
Vneconomy.net 2008年7月21日


« 銀行利益 好調の理由 | メイン | 【証券】第2四半期業績 好調も慎重論多 »

    ・本資料に記載された情報の正確性・安全性を保証するものではなく、
     万が一、本資料に記載された情報に基づいて
     皆さまに何らかの不利益をもたらすようなことがあっても 、一切の責任を負いません。
    ・本資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、
     投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。
    ・本資料の全部または一部を無断で複写・複製することを禁じます。

運営会社編集方針お問い合わせプライバシーポリシー