« 主な株式売却報告 | メイン | 外国人投資家の取引 急増 »

2008年07月31日

ベトナム経済 7月の動向


統計総局の年初7ヶ月の経済社会報告では、
主なマクロ経済指数は引き続き良好である。

輸入超過やインフレ問題の深刻さが軽減された。
農林水産・工業生産分野、外国投資、予算の納入、
郵便テレコムサービス等は、発展が続いている。
年初7ヶ月の経済状況は、以下の通りである。


1.農林水産・工業生産、引き続き成長

7月中旬までの南部の栽培面積は、
1月~3月時期 前年同期比+8.9%
5月~8月時期 前年同期比+5.5%。

一方北部は、病虫害、水不足により、
農業用地が狭小化し、
栽培面積は前年同期の82.7%に留まった。

森林面積 117,900ヘクタール(前年同期比+0.5%)、
木材開拓量 1,684,400㎥(+1.1%)。

水産業は、養殖用資材の単価が高騰しているものの、
輸出単価が下がっているため、
養殖が困難になっている。
養殖の水産物は1,296,000トン(前年同期+25%)だが、
水産物の取り量は+0.1%、
1,255,500トンに留まった。

年初7ヶ月の水産物の漁獲量は、
約2,552,500トン、前年同期比+11.4%、
各種の魚の産量は1,986,400トン(前年同期比+14.1%)、
海老は231,600トン(+1.5%)。

工業生産については、
年初7ヶ月の生産価値は約238.3兆ドン、
前年同期比+16.4%。

工業分野の中で、前年同期から
最も成長率が高かったのは、組み立て業で、
トラック96.2%、バス78.6%、洗濯機54.2%、
テレビ34.4%、冷蔵庫27%それぞれ増加した。

逆に、鉱山開拓、エネルギー関連は、
工業発展に比べ成長率が低く、
電気生産量は前年同期比+13.8%、
水道+13.3%、石炭+4.9%に留まり、
原油は-6%、自然ガスも-0.2%であった。

2.予算収支 前年同期より増加

国家予算の収入は、7月15日までで、
今年計画の66.7%(2007年同期は50.2%)である。

国家予算のうち、主要3収入源が増加している。
国内収入 61.9%、原油 71.2%、
輸出活動による収入 75.8%。

国家予算の支出は今年計画の58.8%(前年同期は49.6%)。
そのうち、投資開発に対する支出が計画の48.7%。

3.経済への投資資金が二分化

外国投資資金が急増したものの、
国営セクターの投資は、
政府のインフレ抑制政策により、かなり減少した。

7月22日まで、
全国で654の投資案件を受け付け、
投資申請額は445億ドルに上る。
188件の増資資金78.86億ドルを加えると、
年初7ヶ月でFDIの申請額は453億ドル。

期間中、FDI実施額は60億ドン(前年同期比+42.9%)。

計画投資省の11の検査団の報告によると、
7月15日までに、そのうち1,968案件(5兆9,920億ドン相当)の
実施が中止、延期された。

国営グループ15社の検査結果では、
1,003案件(29兆3,660億ドン相当)が
中止、起工延期対象になったとされている。

4.物価上昇に伴い、商業、サービスの成長が続く

年初7ヶ月で、小売、消費サービスの
売上約527.5兆ドン(前年同期比+29.8%)。

商業分野が、商業・サービス分野の中で
引き続き大きな割合を占めており、
434.8兆ドン(前年同期比+30.2%)。
ホテル・レストラン営業分野 59.5兆ドン(+24.9%)。
サービス業 26兆ドン(+30%)。
観光 7.2兆ドン(+47.6%)。

5.7月の物価上昇率 7ヶ月中最低。

7月の物価上昇率は1.13%に留まったが、
しかし、年初7ヶ月の物価上昇は、前年同期比+21.28%。

食糧を始めセメント、建設資材、鉄が上昇。
これらは、物価上昇を作る主な要素である。
7月21日のガソリン値上げは、
物価上昇には反映されていないものの、
残りの商品・サービスに大きな影響を与えた。

6. 輸出額 急増 

年初7ヶ月の輸出額は368.8億ドル、
前年同期比+37.7%。
そのうち、国内経済セクターが164.7億ドルで+40.1%。
原油を除き、外国投資セクターが136億ドルで+28.9%。

同期間で輸出価値が10億ドル以上だったものは以下の通り。
原油68億ドル、+52.2%(輸出量-12.1%)、
繊維51億ドル、+20.5%
靴28億ドル、+18.4%、
水産23億ドル、+17.7%、
米 18億ドル、+87.6%、
木材 16億ドル、+21.3%、
電子・コンピューター14億ドル、+29.4%、
コーヒー14億ドル、+3.8%(輸出量-25.9%)。

輸入額は約518.9億ドル、前年同期比+56.8%。
そのうち、ベトナム企業354.7億ドル、前年同期比+70.4%。
外国系企業164.2億ドル、+40.5%。
輸入額が増加したのは、
ガソリン、鉄、肥料、プラスチック商品の
輸入単価が上昇したためである。
この4つの価格上昇を除くと、
年初7ヶ月の輸入額は467.5億ドル、+41.3%。
輸入超過額は150.1億ドル、前年同期+137.7%、
輸出額の40.7%である。

6.年初7ヶ月の顧客運搬10億7,630万人

1キロ当たり490億人の顧客を達し、
前年同期比それぞれ+11.8%、+9.4%。

運搬分野中、最も成長したのは陸路で
9億7,070万人(前年同期比+12.7%)、
1キロ当たり358億人(+11.6%)。

年初7ヶ月の運搬量は約2億9,780万トン(+10.1%)
1キロ当たり986億トン(+38.7%)。

7.外国人観光客のベトナム人気が続く

年初7ヶ月で、全国で260万人の外国人を迎えた。
(前年同期比+6.6%)

そのうち、観光目的は最大160万人(+3.1%)。
ビジネス目的は505,500人(+38.4%)。
親戚訪問目的は348,800人(-3%)。

飛行機で来る外国人客は200万人、
前年同期の77.6%、+5.8%。

8.郵便テレコム分野が成長

郵便・テレコム分野は、
売上39.2兆ドン(前年同期比+35.3%)。

電話回線は12,900万回線増加、(前年同期比+14.1%)。
2008年7月末までで、全国の電話番号の登録は、
64,800万件に上った(7月だけで300万件登録)。

年初7ヶ月で、インターネット回線は815,300回線増加、
7月末までの登録番号は600万以上に上った。

9.現在、全国 43,700戸、198,700万人が貧困生活を送る

1月~3月時期の米の収穫により、
貧困生活をおくる戸数が-57.3%となった。
年初より、各省庁、機関、個人が、
食糧30,000トンと100億ドンを支援している。
7月だけで食糧3,600トン、9000万ドンを支援した。


ベトナムエコノミックスタイムズ  2008年7月30日


« 主な株式売却報告 | メイン | 外国人投資家の取引 急増 »

    ・本資料に記載された情報の正確性・安全性を保証するものではなく、
     万が一、本資料に記載された情報に基づいて
     皆さまに何らかの不利益をもたらすようなことがあっても 、一切の責任を負いません。
    ・本資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、
     投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。
    ・本資料の全部または一部を無断で複写・複製することを禁じます。

運営会社編集方針お問い合わせプライバシーポリシー