銀行融資 低迷原因
現在、ベトナムの信用成長率が、
年初から最も低くなっている。
企業が、もっと簡単に資金を得られる環境を作ろうとしている。
実際、銀行システムの信用成長はスローダウンしている。
国家銀行の報告書によると、
2008年7月の貸出資金は先月比+0.7%と予想される。
そのうち、ベトナムドンは+0.59%、外貨は+1.07%。
経済全体の貸出金利は、2007年末と比べ、
+18.36%と予想される。
国家銀行が、今年の最大目標とする30%を達するためには、
この増加率はまずまずだ。
しかし、1月の増加が6.3%で、他の月の増加率は低い。
7月は+0.7%に留まり、今年に入って最も低い数値となった。
これは、銀行の預金金利が最も上昇したことと、
使用可能資金難が招いた結果である。
(年間預金金利を20%に上げた銀行もある。)
主な4つの原因
銀行活動や関連制度・政策などから、
信用成長がスローダウンした4つの原因が見えてくる。
1 使用可能資金難、流動性の低下
年初から、各商業銀行はベトナムドン不足になった。
2月に入り、状況はますます悪化、
各銀行とも流動性の低下や、
使用可能資金難になったため、
貸出を制限、中止した。
この状況は7月中旬まで続き、
この2週間で、ようやく大手商業銀行は貸出金利を下げ始め、
一部顧客に対し、資金を貸し出した。
特に、商品生産、輸出、農業、農村分野の企業に協力している。
これは、今後信用成長が回復する兆しといえる。
2 金利高
4月から、各銀行間で史上類を見ない
熾烈な預金金利競争が起こった。
通常、貸出金利は預金金利と合わせて調整されるが、
ベトナムドンの24%~25%という数値は、
企業にとって大きな問題であり、
国民の資金調達を制限することになった。
現在貸出金利は、新規定に基づき、
年間最大21%となったが、企業にとっては大きな負担である。
ベトナム貿易銀行(Vietcombank)は、
多くの投資家が近頃の金利高を受け、
中長期に替り、短期の資金借入れを決めた、と考えている。
一方、流動性確保と、信用成長率を下げるため、
銀行も中長期の貸出を制限している。
このことから、年初数ヶ月の信用成長構造
(短期貸し出し資金が急増し、
中長期の貸出率が急下した)
について解説することができる。
3 下落市場への貸出制限
これは、不動産市場や証券市場が直面する問題である。
この2市場は、急速な下落時期に入り、
年初から流動性が低下したため、
各商業銀行とも、貸出を慎重に検討、制限した。
2007年、この2つの市場は、
多くの銀行にとって貸出重点分野であった。
証券投資に対する貸出率は平均10%~15%で、
多いときには、40%になっていた。
不動産分野についても、平均15%。
現在多くの銀行で、証券への貸出率が1~3%、
不動産へは約10%となっている。
4 信用成長率が30%に制限
インフレ上昇抑制のため、国家銀行は、
今年の信用成長率を30%以下に制限することを目標とした。
それにより、各省業銀行が2007年同様には、
成長率を高く上げることができない。
(2007年の信用成長率が51.39%)
ベトナムエコノミックスタイムズ 2008年8月7日