M&A活動 依然活発
マクロ経済問題に関わらず、
ベトナムは魅力的なM&A市場である。
PricewaterhouseCoopers (PwC)の最新報告書によると、
2008年上半期、ベトナムでは48件のM&Aが実施され、
取引総額は3.47億ドルであった。
PwCによると、上半期の代表例は、
・Swiss Reによるベトナム再保険会社の株式購入。
25%を8,190万ドルで購入(2008年1月)。
・Kamaz Inc – ロシア自動車製造グループによる
VMIC会社(在Quang Ninh省)の株式購入。
12.5%購入(2008年2月、今後36%に上げる予定)。
・Morgan Stanleyによる
Huong Viet証券株式会社の株式購入(48.33%)。
その他、、
・Franklin Resources Incによる
Vietcombankファンド管理会社の株式49%購入
(2008年2月)。
・Berhard銀行-マレーシアの最大手銀行による
An Binhバンクの株式15%購入(2008年3月)。
・Carlbergビールによる
ハノイ飲料株式会社の株式16%購入(5月)。
2007年上半期と比べ、
今年は価値は低いが、件数は1件多い。
(2007年は47件、取引総額7.36億ドル)
PwC専門家の話では、
取引総額は去年より低いからと言って、
M&Aが、去年より消極的とは言えない。
PwC代表者は、
「経済状況が不安定なため、各企業はM&Aを延期し、
値段についても、再度交渉しなくてはならない。
一方、昨年より低い評価を受けることや、売却が多いため、
外国投資家は慎重に検討する必要がある。
中規模案件の場合、取引総額は大きく変わる。」
と述べた。
PwCは、年2回M&A報告書を作成している。
2007年下半期の資料によると、
M&A取引総額は11.32億ドル(上半期の2倍)。
PwCは、今下半期も、M&A案件が
引き続き増加すると予想している。
また今後、金融分野のM&Aが増加する見込みがある。
現代銀行サービスがまだ積極的に行われていないこと、
小規模金融機関が、今後、財政難から
外国戦略パートナーと提携する可能性が高いことが、
その理由である。
短期的には、証券会社のM&Aが活発になると予想される。
証券市場の下落に影響を受け、
投資家の信用が落ちたため、
今年の利益が、去年の水準を維持でないを
見込まれているからだ。
証券分野の問題は、
多くの証券会社が子会社として設立され、
資本金も小さく、親会社の主な営業分野が
証券ではないことである。
従って、多くの会社が今後、解体、
または敵対企業、外国人投資家に売却せざるを得ないだろう。
その他、外国人投資家は、
テレコムや、小売分野へ参入したいと考えている。
建設資材分野も、関心を引く分野のひとつだ。
PwCは、ベトナムがWTOの条約を実施することで、
2008年も引き続き魅力的なM&A市場になると予想している。
ベトナム在職中の、
外国人関連の規定を緩和することも、
ベトナムにおけるM&A促進の重要な要素である。
サイゴンエコノミックスタイムズ 2008年8月8日