ベトナム銀行の弱点
Standard Chartered Bankと香港・上海銀行 (HSBC)は、
2008年9月8日、正式に100%ベトナム子会社を設立、
銀行間のマーケットシェア争いは新たな曲面を迎える。
100%ベトナム商業銀行は、2000年12月31日時点より
主資本を150%~200%増加させる必要がある。
このため、小規模で影響力の弱い商業銀行は合併傾向となるだろう。
懸念される財政力
Nguyen Thi Mui財政学院副社長によると、
国内銀行は全て、最低資金の安全率(CAR)が
国家銀行の規定(8%)をクリアしているが、主資本はまだ小さい。
2007年12月31日まで、Agribankは
国家商業銀行の中でも最大規模の銀行で、
資本金は6.5億ドルだが、
アジアの各商業銀行と比べてかなり低い。
現在、商業銀行37社の中で、資本金2億ドル以上は、ほんのわずかだ。
Nguyen Thi Mui教授は
「主資金が低く、内部の準備資金が小さいため、
預金が大量に引き出された場合、対応する能力が低い。
国内商業銀行システムは流動性が弱い。」と話す。
商品・サービス不足 マーケットシェア縮小
銀行の商品、サービスの売上は、
非利益の収益/売上総額のうち5%に留まる。
国内銀行がネットワーク、顧客、販売ルート、
技術の強みを活用できていない。
商品開発戦略の中で、国内銀行は、
主に信用分野に集中してしまっている。
他のサービスはベトナムで盛んになったATM、
口座を通じる清算サービス、
高所得者向けの資産管理サービス程度しかない。
Le Dac Son-VPBank頭取は
「顧客は本当に有利な銀行のサービスを利用したい。
例えば、外国銀行と国内銀行が同種の
商品、サービスを提供する場合、
外国銀行の方が利便性が高ければ、
国内銀行利用者は乗り換えも考えるだろう」と述べた。
その他、国家銀行はこれらの業務調整に関する規定を早期に研究し、
発行する必要がある。
これらの分野では外国銀行、特にアメリカやヨーロッパが強い。
経営力の弱さ
経営力、特に社債管理能力が低い。
ベトナム銀行の資産項目の中では、
信用活動が一番大きな割合を占めるが、
その質はまだ低く、悪質社債の率がまだ大きい。
(約5%、外国銀行の場合約2%)
そのため、信用のリスクがある。
各銀行は信用活動と長期投資活動に大量の資金を費やすが、
合理的かつ効果的に投資できていない。
その他、資金調達活動において銀行の流動性を確保しきれず、
信用需要に対応できていないため、精算のリスクが高い。
調達期限の管理がしきれておらず、
短期調達資金を長期に貸し出すことによるリスクが高い。
Le Dac Son氏によると、国内銀行は
外国銀行の技術や経験を学ぶため、外国銀行と提携するべき、と話す。
2010年まで、政府は外国戦略株主に対し、
所有率を25%に引き上げる可能性がある。
ベトナム商業銀行は外国パートナーに対して
最大35%まで売却できる。
外国銀行は国内銀行に投資する時点で、積極的に協力し始めるだろう。
企業フォーラム 2008年9月24日