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2008年11月06日

ベトナムゴム業界 金融危機の影響小


現在、世界中で天然ゴムの値下げが起こっているが、
ベトナムのゴム関連企業の場合、
第3四半期および今年の営業成績に、それほど影響は出ていない。

金融危機による影響は、
原油価格の下落、自動車の売上低迷だけでなく、
天然ゴムの価格にも及んでいる。

ただ、そういった中で、ベトナムゴム産業の
第3四半期及び今年の営業成績には、
大きな影響は出ていない。

各企業会計報告書は楽観的な見方

Dong Phuゴム株式会社(銘柄:DPR)、
Thong Nhatゴム株式会社(銘柄:TNC)等の
ゴム開拓・加工・輸出会社の第3四半期の営業成績は、
第1、2四半期や、前年同期よりも高かった。

ただ、第3~4四半期は、
ゴムの収穫時期であり、生産量も上がるため売却量も上がってくる。

さらに現在ゴム産業は、
今年に入ってから価格上昇による利益を上げている。
これは原油価格高騰の影響によるもので、
天然ゴム価格もかなり上昇した。
7月の時点では1トンあたり3,237ドルにまでなっていた。

08年年初9ヶ月のゴム輸出量は、約459,000トン、
その価値は12.5億ドル、
1トン当たり平均2,736ドン。
前年同期と比べて、輸出量自体は-8%だったが、
価値が+34%、単価が+45%となっている。

しかし、自動車、バイクのタイヤ等を生産する
Da Nangゴム株式会社(銘柄:DRC)だけは、
第3四半期の営業成績が第1、2四半期より減少した。

この結果は、金融危機による影響を現している。


2008年第3四半期及び年初9ヶ月の営業成績の統計(単位:10億ドン)

指標売り上げ利益
第3四半期年初9ヶ月第3四半期年初9ヶ月
Dong Phuゴム株式会社303.43526.8104.84195.3
Hoa Binh104213.330.5575.4
ゴム株式会社
Thong Nhatゴム株式会社 (*)581206.918.46
Tay Ninhゴム株式会社204.7378.681145.8
Da Nangゴム株式会社285.1610497.844.5


(2008年第3四半期、Thong Nhat株式会社(銘柄: TNC)の
ゴム開拓・販売部門の売上は前年同期より減少した。
一方で、農産物販売部門の売上は高く、全体の50%を占める。)

短期的にはゴムの需給は安定している

今後のゴム市場に関しては、
2008年中は天然ゴムの需給はまだ安定しているだろう、と予測される。
アメリカ、日本、ヨーロッパでゴムの需要が減少する一方で、
中国、インド、ブラジル等新興国の需要増加が続く、
と見られているからだ。

現在のゴムの値下げは、外国の影響によるものである。
天然ゴムは合理的な価格で流通し、生産量が大きければ、
引き続き安定して成長するだろう。

さらに、全世界的なエコロジーブームから、
リサイクル可能な商品を使用する傾向がある。

先日、IRCo 会社
(タイ、インドネシア、マレーシアの3カ国で2004年に設立)
は、天然ゴム分野に対する信用回復のため、
生産量を減らすことを決定した(2009年中に-21万トン)。

現在、タイ、インドネシア、マレーシアは、
世界のゴム生産の70%を占めている。

IRCoは、現時点では天然ゴムの需要を少し減らし、
価格の切り下げを待っている企業も、
貯蔵量がそうあるわけではないため、
購入を取り止めることができない、と見込んでいる。

あらゆる商品の価格が下がり続けている中で、
今後、ゴム価格の値下がりが起こるのは必至だ。
しかし、ゴム生産側は、
製品の単価を下げると共に品質を高めることで、
貿易信頼性を高め、顧客を確保し、
合理的な利益を得られる可能性がある。

ベトナムゴム協会は、第4四半期も値下がりが続くと予想している。
しかし第1~3四半期の売上げが高いこと、
諸経費の節約、製品の単価の切り下げ、品質向上により、
各企業とも、前年比+の営業成績が見込まれている。

輸出目標(16~18億ドル)も達成できる可能性が高い。

輸出値が製品単価より低くなれば、ゴム会社は赤字となる。
ベトナムゴム協会所属のゴム輸出保険ファンドは、
そうならないための支援を行っている。

このファンドの設立は2006年末、
現在の構成員は21社。彼らは毎年輸出総額の1%を占めている。


CafeF 2008年11月5日


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