09年ベトナム発展報告書 経済発展の遅れを指摘
ベトナムは長期間にわたり
高い経済成長を示してきたが、
その発達はアジアの他の国や地域と比較して
かなり遅いと同報告書は指摘している。
ベトナム経済は、
インドネシアより51年、タイより95年、
シンガポールより158年遅れると指摘している。
世界銀行の専門家によると、
この評価は以下の二つの基準に基づいて発表された。
1:2007年の国民1人当たりの年間収入
ベトナム:836ドル、インドネシア:1,918ドル、
タイ:3,850ドル、シンガポール:35,163ドル。
2:固定物価における
2001年~07年の国民一人当たりの年間収入成長率
ベトナム:6.5%、インドネシア:4.8%、
タイ:4.8%、シンガポール:4.0%である。
世界銀行の専門家は
「上記の数値はあくまで試算によるものだが、
この発展のスピードでは、
ベトナムがアジアのほかの国々に追い付くには
まだ長い時間が必要である」としている。
この評価自体は、特に目新しいものではないが、
ベトナムの開発パートナーが
このような試算を初めて正式に発表したことは、
大変、興味深いものがある。
また、ベトナムが発展への前途は、
まだ先が長いというこの評価は
「開拓心」や「心理的要素」に影響を与えると考えられ、
この15年間における、
ベトナムの成長と貧困対策に関する成果を表したといえる。
国際市場における営業環境の改善に関して、
ベトナム政府の努力は低下している。
世界銀行の評価によると、
ベトナムの競争力は178カ国中
2007年:104位、2008年:91位、2009年:92位と
下位グループに位置している。
また、世界経済フォルムの評価によると、
ベトナムの営業競争指数は平均的なレベルより低いとしている。
さらに、国際透明性機関の評価によると、
ベトナムの社会的透明性は10点満点の評価で
2007年:2.6点、2008年:2.7点にしか達していない。
この二つの数字は、
汚職等が一掃させていない状況によるものであろう。
Tran Huu Huynh ベトナム商工会法律担当部長は
「この3年間におけるベトナムに対する
三つの国際機関の評価が変わらない」と述べている。
国内の状況について、
行政的な手続きや営業に対する処置などにおいて
不利・不利益な処遇が増加する傾向にあり、
ベトナムが他国との経済発展の距離を縮小するために、
重要な要素である民間企業の発展にも影響を与えている。
ベトナム商工会(VCCI)の調査結果によると、
近年、民間企業に対する
資金源、労働者養成、土地使用権、行政手続改善、インフラ整備
といった、五つの問題点に関して、
まったく改善・解決されない。
このため、この3年間において、
民間企業の経営は非常に困難な状況に陥っている
と指摘している
これらの問題点の改善は、もちろん政府の責任である。
経済専門家の考えによると、
ベトナム政府が公的な行政手続を改善することにより、
年間13兆ドン~30兆ドン(8億ドル~13億ドル)の
節減が可能だとする。
Jim Winkler-世界銀行競争能力向上計画の社長 は
「20年前からの数万種類の行政手続がまだ残っている。
それはベトナムが狙っている経済成長目標を妨げている。
ただ、この問題を解決するのは非常に困難だ」としている。
良好でない営業環境は
直接投資申請資金(FDI)の610億ドル(2008年)と
どのように関連するのか。
Tran DinhThien-ベトナム経済研究院院長は
「このような良好でない営業環境下にあるベトナムに対して
2008年に記録的なFDI資金がもたらされたことは
ベトナムに対する国際投資家の信用の表れだ」
と述べた。
世界銀行の専門家は、報告書の中で
「ベトナムが旧ソ連のような状況に陥るか、
モーリシャスの様な経済発展を遂げるか」
との問題を提起している。
そして、
「経済発展の可能性は見出せるが、
その成果は、
今後のベトナム政府の経済対策に委ねられている」
と結んでいる。
サイゴンマーケッティング紙 2008年12月11日