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2009年07月01日

越銀行 経済危機で大儲け!?


以下は、国家財政監査委員会副委員長
Le Xuan Nghia氏へのインタービューである。


国内外の経済研究、財政機関は、この事態に驚いている。
それは、世界経済危機を背景に
多くの金融機関が倒産したにも関わらず、
ベトナム銀行は安定した発展を遂げており、
大きな利益を得た会社も少なくない、ということである。

Q:各国の金融機関が破綻する中で、ベトナム銀行が
安定して発展を遂げているのはなぜか。


A:昨年のインフレ上昇期にも、経営困難に陥った銀行は存在した。
しかし、基本的にはベトナム銀行システムは着実に発展しており、
焦げ付いた負債も少ない。
欧米諸国の銀行が抱え込んでいる負の担保資産も存在しない。
それに、2008年はベトナム銀行全体の利益が前年よりも高かった。

他にも、いくつかの銀行は、
外国で大量売却されていたベトナム国債を、
金利25%引で購入することができている。
この債券価値は30~40億ドルにものぼり、
2008年1年をかけて売り出しても、まだ余剰があるほどだ。
これもベトナム銀行にとって大きなチャンスであった。

Q:現在、銀行株式の流動性が高まっているのは、その債券が原因か。

A:投資家は、外国の証券市場で銀行株式が上昇すると、
ベトナム銀行の株式も上昇する、と判断する。
また、大企業は注目を集めやすい。
銀行は大企業と言えるし、情報の透明性も高い。
発表された利益は会計検査済みのものである。

世界では、今年の銀行の純利益は、
最高で4%、最低‐6%と予測されていた。
しかし、現在では最高で2%、最低はなんと‐80%にまで落ち込んでいる。
そんな中で、ベトナム銀行は14.15%を維持し、
利回り率は世界一高いと言える。
これはかなり珍しい状況である。
外国投資家、財政機関投資家も
ベトナム銀行の将来性について大きく評価している。

Q:外国財政機関は、ベトナムの金利支援制度は
効果を得られないと警戒している。これは正しい判断と考えるか。


A:外国経済専門家だけではなく、国内の専門家も
この金利支援制度は相応しくないと考えている。
経済支援策を練る際、
多くの専門家が外国のやり方に倣い、金利の上限を下げ、
貸出・預金・不動産・消費への貸出に対しては支援しないという。

経済学の中では流動性の「罠」の概念がある。
アメリカや日本では、預金金利を0%に下げても、
人々は考えなく預金する。
口座は、引き落とし等支払い用の口座であり、
預金用ではないので、金利を厳しく追求する姿勢は薄い。
従って、流動性の「罠」は非常に低いと言える。

ベトナムでは、預金金利を4%に下げると、
預金希望者はいなくなり、皆ドルや金を買うようになる。
ベトナムでは、日米とは逆に金利を得るために預金するのである。
金利を下げれば、預金をする者は絶え、銀行は直ぐに倒産してしまう。

金利支援政策はベトナムの実情に沿っており、非常に良い政策である。
この政策により、各銀行は政府の支援を得るため、
資金を貸し出さなくてはいけない状況になった。
貸出活動が積極的に促進されれば、
信用市場の凝りが解消し、経済が回復する。

アメリカの場合、政府支援の矛先は、
企業に資金を貸し出す銀行側に向いている。
これらの銀行が政府の支援資金を貸し渋り、
金利を得るため国家銀行に預金すれば、
信用市場の凝りは改善されず、需要引上げなど実現不可能な状況となる。
信用活動が積極的に行われないと、経済支援政策の意義はなくなってしまう。

Q:現在、銀行の負債は増加傾向である。
この状況をどのように解決するつもりか。


正確な統計データはまだないが、
現時点で負債は約3%、去年よりその割合は2.5%増加している。
ただ、この数字はアジア経済危機時の
14%に比べればかなり低い。

当時は国家予算もまだ少なく、外国の支援の不足した状態だった。
現在、各商業銀行、リスク予備ファンドの財政力も強くなり、
政府の予算も改善されてきている。
外国の支援も増加しているので、負債が大きな悪影響を及ぼすことはない。

まだ正確な数字が発表されていないが、
今後、負債が4.5%になっても、政府はコントロールしきれるだろう。

Q:今後、ベトナム銀行が直面する問題は何か。

A:現在、最も複雑な問題はインフレである。
インフレは単純に物価を上昇させるのと同時に、
各種資産価格も増加するため、
不動産や証券バブルが起こる。
人民の消費が増加し、預金の割合、消費の割合が増加する。

社会投資財力は全て不動産、証券、消費に投資される。
インフレ防止のためにブレーキをかければ、
全ての資産がなくなってしまう。
各家庭の資産は大きく目減りすることになる。
しかし、ベトナム政府はインフレの抑制の経験を有し、
国家銀行も常に警戒しているため、必要以上に不安がることはないだろう。



Vneconomy.net  2009年7月1日

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