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2009年07月23日

世界で最も米ドルを使うベトナム


Le Tham Duong博士-
ホーチミン市銀行大学教授は
「ベトナムは世界で米ドルを最も多く使う国である」と
述べた。


ベトナムの外貨管理法令および法律は
ベトナムドンをベトナム全国における
唯一の精算通貨と規定しているが、
実際には、ベトナムドンと共に
米ドルもベトナム市場で精算通貨として
幅広く利用されている。
ただ、このような状況は
マクロ経済の有効性を減少させ、
物価上昇の危機につながる。

ハノイ市のバイク販売店の平均売上は
1日4万USD以上である。
また、ベトナムドンで清算する場合、
ドル建て価格を自由市場での為替レートに基づき
ベトナムドンに換算する必要がある。

あるバイク販売店の店員は
「今から年末にかけて
バイクの価格が上昇する可能性があり、
Spacyが1台7000USD、
SHが1台8000USD程度になる。
ドルを現金で支払えない場合、
自由市場の為替レートで換算して、
ベトナムドンで払うこともできる。
実際、われわれは銀行から米ドルを買えないため、
自由市場で買うしか方法がない状況である」
と述べている。

だが、この店員は
米ドル建てでの商品販売が
法律違反であることを知らず、
このような取引が公然と行われている。
このように、ベトナムにおいては
買い物の際に米ドルで精算することができ、
ベトナム経済のドル化状況がさらに深刻になれば、
マクロ経済の運営に大きな影響を与える。

Le Tham Duong博士-
ホーチミン市銀行大学教授は
「ベトナムは世界で米ドルを最も多く使っている国である。
米ドルの利用は全体の60~70%を占め、
貨幣流通の運営にも混乱をきたしている。
米ドルの利用状況を適切にコントロールできないと、
金融政策、投資政策、脱税の監査政策等の
国家管理手段が有効に機能しなくなる」と述べた。

一方ベトナム国内では米ドルで買い物をし、
国際間取引の精算に米ドルを利用し、
市民がドルを保有し、
さらに企業も米ドルを保有するなど、
米ドルの需要はさらに高まっている。

また、例えば、
ベトナム企業が日本から物品を調達する際、
米ドルで精算するには四つの銀行を介する必要があり、
4回の取引手数料と2回の両替手数料が必要となる。
一方、日本円で精算する場合は、
取引手数料と両替手数料を各1回払うだけである。

このような点に着目し、
Trieu Van有限会社は
この4年間、米ドルを保有しなくなった。
以前、取引の一つで米ドルを調達できなかったため、
契約を取り消され、倒産寸前となった。
その後、同社は日本業者と円での精算を開始した。
そして、この方式は、
自社にとっても相手にとっても
大きな利益を創出したのである。

このように、米ドル以外での精算は
企業の利益に大きく寄与するため、
企業は多様な通貨を利用している。
ACB銀行を介して精算するベトナム企業のうち
米ドル以外の通貨を利用した会社は
2005年には7.4%だったが、
今では17.8%に増加している。

Ly Xuan Hai-ACB社長は
「われわれは各国および通貨を三つのグループに分ける。
第1グループは強い通貨を持つ国である。
(どこでも大量に購入できる通貨)
これらの国からの輸入額は、
2008年では全体の44%を占め、
これらの強い通貨で精算すると、
米ドルの購入需要は約44%減少させられる。
また、時間や地理的な要因により
両替が制限されるほかの通貨を入れると、
米ドルの購入需要が70%以上減らすことができる。
これに、中国の人民元を加えると、
実に93%も減らすことができる」
と述べている。

つまり、精算用外貨の93%を
多様化することができ、
それに伴い、米ドルの購入需要も
93%も抑制できるのである。

このように、一つの外貨に依存しないことで、
精算に掛かる経費は削減し、
企業と銀行とが取引に要する時間を
節約することができ、
さらに、経済の運営も柔軟となる。
また、企業の精算用外貨多様化について
ベトナム国家銀行が合理的な奨励政策を適用し、
積極的に推進すれば、
ベトナムにおける米ドル為替レートによる
プレッシャー和らげることができよう。



VTV.vn 2009年7月22日

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