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2009年10月31日

大規模国営企業 民営化へ再始動


2009年6月は、Jetstar Pacific Airlines (JPA)にとって
記念すべき節目の月である。
17年間の活動の中で、始めて売上月1,000万USD、
利益約100万USDを達成したのだ。


また、2009年7月には売上を1,130万USD、
利益を150万USDに上げた。

JPAが利益を出したことは評価すべきことだ。
しかし、この数年の赤字を補填するためには、
長年かけて利益を作る必要がある。
これまでJPAの赤字を最も大きく負担してきたのは国である。
そして、JPAの最大株主も未だに国である。

JPAの民営化計画は以前からあったが、
JPA株式の27%を保有しているオーストラリアのQantasグループを
戦略パートナーとして選択したことで、
株主構造が多様化され、JPAは発展を加速させた。

航空企業は所有者多様化が進む分野である。
政府ではVietnam Airlinesを民営化させる計画も上がっている。
Vinaphone、MobiFone等大規模国営通信会社の民営化も
よく話題に上がるようになってきた。

ただ、年初から現在までで、上記の企業のIPOは余り進行していない。
証券市場の暴落のせいと考えるのが大半だが、
市場が回復した今も、大規模企業の民営化はいまいち消極的だ。

民営化のスピードが上がらない最大の要素は、
企業価値の計算が進まないことにある。
企業価値を正確に計算できない場合、
国は国有資産の損失となる懸念が大きいため、
政府管理機関が消極的になっているのだ。
低く見積もれば、国が損失を被り、高く見積もれば、買い手がなくなる。
Bao Viet、Vietcombank、Sabeco、Habeco等大規模国営企業のIPOは、
時事性が残っている。

VN-Indexは160%を回復したが、
Bao VietとVietcombankの株価は、落札平均株価に戻っていない。
職員は有利発行で購入した株式を1年以上保有したが、
まだ売れていない状況である。
上記の民営化した企業は国有資金をそのまま確保され、
増資のために追加発行し、そのうちの一部がIPOを通じて一般に売却された。
この様なやり方はあまり魅力的とはいえない。
合理的で市場性のあるIPO方式を確定するべきなのだが、
どんな方式が良いか、頭の痛い問題である。

民営化が遅れると、毎年国は、
企業育成に大きな予算を割かなければならなくなる。
1992年から現在までで、財務省は3,836社の国営企業を民営化した。
数について言えば、残り社数のほうが少なくなってはいるのだが、
いずれも規模が小さく、資本金も低いため、国家予算を占める割合は当然低い。
現在、国有資金の30%しか民営化できていない。
そして、国有資金を大きく占める企業の民営化は
これから本格化する予定となっている。
これらの企業は、出来るだけ早く改善される必要がある。

そして、民営化で最も利益を得たのは誰だろうか。
企業か、労働者か、投資家か。
実際、民営化後に企業の競争力は高められた。
各会社がより高い利益を作り、国家予算への納入資金も大きくなっている。
したがって答えは「国」である。
また、民営化後は各企業の国有資金も正確に計算されるため、
必要な時に換金することもできる。
この9ヶ月間で国有資金投資・運営会社(SCIC)の
売上は、1.674兆VNDになる。
主な方式は、IPO又は証券市場を通じて国有資金を換金すること。
SCICの税引前利益は1.415兆VNDであった。
ただ、SCICのような利回り率(84.5%)に達する企業はまだ少ない。



サイゴンエコノミックスタイムズ 2009年10月30日

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