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2009年11月13日

貿易自由化と強まる中国企業の脅威


アセアン・中国の自由貿易エリアが開設され、
ベトナム中国間の輸入超過が増加する可能性が高まっている。


2000年11月ブルネイで行われたASEAN+3首脳会議で、
アセアン各国と中国の要人が協力協定(基本記録)を結び、
アセアン・中国自由貿易エリア(ACFTA)の開設が提案された。
この協定は2002年11月4日、カンボジアにて締結された。

この協力協定は、向こう10年の間にACFTAを開設することを
目的としている。
ただ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、
ベトナムを含むアセアンの新参国については、
特別に柔軟な対処がされている。
具体的には、アセアン・中国地域内の課税免除を、
2010年にアセアン6カ国と中国に対して、
2015年、又は2018年までには新参国に対して完成させる予定。

ACFTA参加国が輸出する商品に対する輸入税は、
今後殆ど削減される予定。
90%が削減され、残りは減税となる。

ACFTAが形成されたことで、
商業分野において、アセアン各国の
生産・輸出会社が市場を幅広く拡大することが可能となる。

アセアン事務局の最近の研究結果によると、
自由貿易エリアが開設されることで、
東南アジア各国から中国への輸出額は、
年0.9%増(54億USD相当)となり、
中国の実質GDPは0.3%増(約22億USD)となるという。

これは、国際市場向け生産企業が、
中国の需要を正確に把握できれば、大きな利益を得られる一方で、
国内市場相手の企業にとっては、
中国製品との激しい競争にさらされる恐れが大きい。

中国では、人件費の安さという強みを生かすことができる。
アセアン各国では、課税撤廃により、
工業分野の競争力がなくなる可能性もある。

アセアンの他の国と同様、
ACFTAの形成は、ベトナムにとって、
農林水産物の輸出を促進することにもなる。

特に、ベトナム・中国の貿易関係では、
ベトナムは主に農林水産資材を輸出し、中国から工業製品を輸入している。
他のアセアン国は、中国と互いに工業製品を輸出入し、
平等な貿易関係を保っている。

しかし、ベトナムの商品は、
まだまだ中国市場に参入しきれていないのが現状である。
輸出商品は種類も数少なく、不安定で、販売ネットワークも不足している。

税関という障壁が破られれば、
中国製品が、簡単にベトナム市場に入ってくるようになる。
ベトナム企業は国内市場での生き残りのために、
激しい競争を余儀なくされることだろう。
特に、若い工業分野は要注意である。
中国がベトナム企業より強いことは明らかだ。
繊維、靴、消費商品等どれをとっても、
中国企業を上回るためには、競争力が乏しいのが、
ベトナム企業の厳しい現実なのである。



Vneconomy.net 2009年11月13日

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