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2009年12月08日

Goldman Sachs: 越GDP 2010年に8.2%に成長


ゴールドマン・サックス社は、ベトナム経済成長の回復に対し、
積極的に評価すると共に、ベトナム経済のリスクを示した。


12月3日付ベトナム経済報告書の中で、
アメリカ投資銀行のゴールドマン・サックスは、
2009年第2四半期からのベトナムの経済成長の回復が
国内需要の引き上げの成果であることを評価した。

報告書は「需要引き上げ及び緩和金融政策の実施により、
ベトナムは国際金融危機による消極的な影響に対して
良く持ち堪えた。第3四半期にはベトナムのGDPが
前年同期より5.2%成長し、日本を除いたアジア地域の
平均成長率の5.3%と近い。」と掲載した。

同報告書の作成者であるゴールドマン のHellen Qiao分析専門家によると、
ベトナムの個人の消費は、危機発生の中で最悪の時期より回復した。
これは、各家庭の財政状況が良くなり、物価上昇率(CPI)が低いことにある。

その他、政府の需要引き上げ対策、貸出金利の減少政策、金利支援政策により、
投資分野の成長も良くなった。同報告書は
「昨年末に投資活動が急速に減ったので、ベトナム政府が市場に干渉し、
インフラ整備計画に対して資金を協力していた。
また、もっと重要なことは民間企業の投資(主に不動産への投資)も
急速に増加している。」と分析した。

同社によると、ベトナムの輸出成長率は過去の最も高い時よりは
まだ低い。

年初に起こった輸出超過の理由は、国内需要が減少したことにより
輸入額が急速に減らしたことにある。
その後、国内需要が急速に回復したため、輸入が加速したが、
輸出の回復が遅く、ベトナムの貿易収支が赤字になった。

ベトナム政府の需要引き上げ政策は成功したが、
まもなく終結の時期に入る。
財政政策については、現在実施されている幅広い財政政策が
2010年まで続く予定だが、対GDPベトナムの国家予算超過支出の割合は
来年増加しない。
同社は今年ベトナムの予算超過支出が最低9%であることを予測した。

金融政策について、2009年に経済成長を引き上げるために
緩和金融政策を実施したため、2010年にベトナム国家銀行が
金融政策を厳しくする可能性がある。

ゴールドマンの専門家は「我々は緩和金融政策の実施が
まもなく終了すると考え、今後、国家銀行が
2010年にインフレを防止するために金利の引き上げ
又は流動性の減少等の厳しい対策を実施する可能性が高い。」と述べた。

為替レートについて、貿易収支が悪くならない場合は、
対USDのVNDの為替レートを徐々に切り下げていくことになる。
同報告書は「11月末にUSD/VNDの為替レートを引き上げた後、
ベトナム国家銀行はVNDの切り下げのスピードを下げることに努力し、
VNDに対する信用を維持する。」と掲載した。

経済回復に対するベトナム政府の努力を歓迎すると共に、
同社は現時点でベトナム経済が直面する周期的な挑戦を指摘した。

①インフレの圧力が増加する傾向にある。
現在、ベトナムのCPIの増加率は昨年よりまだ低いが、
前月と比較すると、インフレの上昇圧力が再度増加している。
食糧、食品はインフレの上昇圧力の増加に大きく貢献した。

②ベトナムの貿易収支の赤字である。
同社によると、貿易収支が赤字になったと共に、
ベトナムへのFDI資金も減らした。
ただ、同報告書はベトナム政府が貿易収支に関するリスクを
コントロールできる能力について信じている。

同社によると、ベトナム経済に対するリスクの原因は二つ。
一つは需要引き上げの成功であり、ベトナム国内需要と外国需要が
良好に回復しているため、インフレの上昇のリスクが高まっている。
二つ目は、より厳しい金融政策を実施することにより、
経済成長の減少及び貿易収支の困難に直面しなくてはならない状況になる。.

「来年はベトナムの政策策定者がインフレ上昇の圧力を
へらさなくてはならず、経済成長に不有利な影響を与えない問題に
直面するであろう年である。我々は、ベトナム政府が
安定したマクロ環境と成長を確保している背景において、
今から2年後にベトナム経済成長に対して慎重で楽観的な観点を持つ」
と掲載した。

同報告書で掲載された予測によると、ベトナム経済は
今年5.1%成長し、2010年に8.2%に達する。



Vneconomy.net  2009年12月7日

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