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2010年01月11日

21世紀 これまでの10年と今後の課題


2009年、ベトナムは経済危機を乗り越えた。
21世紀の最初の10年を振り返り、ベトナムの次の10年の発展にとって
どんな経験や勉強ができているのかを考えてみたい。


以下はLe Dang Doanh-中央経済研究所所長・経済専門家への
インタビューである。

Q:2009年のベトナム経済状況はどうだったか?

2009年、ベトナムは早期に経済危機を乗り越えたが、
その影響は少なくない。世界の経済回復に際し、
ベトナムは政府の経済引き上げ対策と金利支援対策で成長を遂げた。

最も重要なことは企業の努力と、農業の発展、
食糧安全性の確保ができたことである。
また、失業者も早期に再就職先を見つけることができた。
一方で、家内工業や村の伝統製品の加工等の活動は、
依然困難な状況にある。

Q:この10年を振り返り、ベトナム経済はどのように発展したか?

この10年で、ベトナム経済は大幅な発展を遂げている。
しかし、輸出構造の中では原油、石炭、コーヒー、靴、
繊維等、付加価値の低い商品が多い。

2006年の世界銀行の評価によると、
ベトナムの国家資産の73%は自然資源であり、
20%が物質資産(インフラ等)、
7%が無形資産(知識、教育済みの人材、技術等)であるという。
しかし、OECD各国(一人当たりの所得1万USD)では
これらの数字がそれぞれ2%、17%と80%となっている。

現在、ベトナム資源の開拓は自然の限界に近づきつつある。
世界経済フォーラム(WEF)の評価によると、
ベトナムの競争力は減少を続けており、
以前より11ポイント下がっている。(64/133から75/133に下落)
一方で中国は上昇を続け、35位から29位に上がっている。
今後の発展のためにベトナムは、
競争力強化という緊急の問題に直面している。

他方、ベトナムではヘルメット着用が義務付けられているが、
交通安全と事故防止はあまり進展していない。
そして、汚職防止法を発行したものの、
実際の汚職防止の効果はまばらだ。

1999年から10年で企業法を実施し、
186種類の許可を排除したが、新規導入された許可書の種類は
排除数を上回っている。

教育制度の改善にも長年取り組んできたが、期待した成果を上げるには、
まだ見通しが立っていない。
現在ベトナムは、一般労働者しか外国に派遣できていない。
国内教育で養成された医者や、専門家を輩出するには至っていないのが現状だ。

また、都会と農村の生活環境の汚染も深刻化しており、
森林破壊がとくに激しさを増している。
政府管理機関の社会問題に対する動きはまだ鈍く、
国民の期待に充分に応えられていないのが現状だ。



Vneconomy.net 2010年1月11日

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