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2010年02月03日

1月度成長率 工業生産分野が急回復


2010年1月、全国の工業生産総額が、62兆8,000億VNDに達した。
エアコン、タイヤ、湯沸し器等の主力製品が、工業分野の高い成長率を保っている。
また、繊維分野の輸出額も増加した。


1月の工業生産総額は、09年12月の95.4%相当だが、前年同期比では28.4%増。
これは、ベトナムの経済回復能力に対する前向きな兆しであると評価され、
基本指標が09年同期を大きく超えた。(統計資料による)



数字に現れた回復の予兆

統計資料によると、生産総額が一番高く成長した地方は
Phu Tho省、Da Nang市、Ho Chi Minh市、Binh Duong省等の省市。

高成長率の工業製品は
エアコン(283%)、セメント(91.5%)、ガラス(72.5%)、自動車(53.8%)等。
09年12月比で、全国の工業生産総額は4.6%減少したが、
09年同期比では、28.43%増加した。

これら比較データは、2010年1月、経済が回復傾向にあることを示した。
専門家の評価によると、工業生産総額が増加した理由は、
各企業が正月直前の市場需要に対応するため、生産活動を促進したことと、
海外直接投資セクター(FDI)の生産活動が急増したことだ。
2010年1月、全国で計3億1,800万USDのFDIを調達した(前年同期比71.9%増)。
1月のFDI実施額は4億USDに達する(前年同期比33.3%増)。

2010年1月は、輸出も積極的に行われた。
主力輸出分野は09年末からの成長を維持し、2010年も多くの注文を受けた。
繊維協会によると、繊維の輸出額は
1月上旬に09年同期と同じ、3億3,600万USDに達した。

その他、多くの輸出商品が高い成長率を出した。
 石炭: 輸出額32%増  輸出量23.8%増
 紅茶: 輸出額69%増  輸出量27%増
 胡椒: 輸出額27%増  輸出量44%増
 コメ: 輸出額22.7%増 輸出量50%増
 カシューナッツ: 輸出額9%増 輸出量29%増。

2010年1月の輸出総額は49億USDに達した。
先月比で10.4%減、前年同期比で28.1%増。

1月の輸入額は62億USD。
先月比で16%減、前年同期比で86.6%増。

1月の超過輸入は13億USD。
先月比で32.6%減(輸出額の26.5%相当)。

2010年1月、ベトナム経済は客観的にも変動し、回復傾向にある。



大きな挑戦 超過輸入額の抑制

1月のCPIが、09年12月比で1.36%増、前年同期比で7.62%増加した。
このことに、多くの経済専門家、そして社会世論が関心を持っている。

09年12月より成長した分野は以下の通り。
 飲料:2.11%
 サービス:2.11%
 食糧:4.11%
 建設資材:1.66%
 飲み物、タバコ:1.14%
 生活雑貨(靴、帽子等):1.24%

統計総局の評価では、
1月、物価の変動はあまりなく、市場でもブームのような物価上昇は発生しなかった。
2010年1月末までで、小売、サービスの売上は121兆VNDに達し、
2009年12月比で3.8%増加した。
2月の正月直前に起こる、消費需要の急増による物価の上昇は避けられない。

一方で、ベトナム国内での生産用資材は、80%~85%輸入しなくてはならない。
現時点では、世界の物価上昇幅は09年より大きく、輸入額が増加する。
ガソリン価格が47%上昇した他、
ガスが45.6%、プラスチック資材が41%、各種紡織糸が40%上昇した。

輸出価格の上昇により、輸出総額が約3億5,000万USD増加し、
超過輸入の抑制が困難になる。
そのため、10億USD以下の超過輸入額を抑制するという目標は、
ベトナムの経済や輸出入活動に対しての大きな挑戦である。



Vneconomy.net 2010年2月3日

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