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2010年03月01日

為替レート調整で輸入超過減


2009年11月と12月の輸入超過額が、20億USD近くに達したとの公表後に、
翌1月の輸入超過額が10億USD以下に抑えられた。
急減について、Le Thi Minh Thuy-統計総局商業・サービス・物価管理局次長は
以下のように答えた。


増減 予想以上

Q.統計によると、2009年12月の輸入額が74億USDに急増、
 前月の66億USDよりかなり高い。原因は?

A.2009年12月、特に12月末の輸入の量が予想以上に急増した。
 主に設備、機材、資材の輸入である。

 また、2009年末に、野菜、果物、食品、お菓子、服、靴、
 化粧品、電化製品等、旧正月向け商品の輸入額も大幅に増加し、
 月平均4億USD~5億USDとなった。

Q.2010年初頭に輸入が急減した原因は?

A.1月の輸入額は予想以上に減った。

 2010年1月の輸入額は62億USDと予測していたが、
 実際は60億USD近くにしかならなかった。
 原因は、資材の輸入需要が減り、商品に対する需要も同様に減らしたことと、
 2月は旧正月の休暇期間のため、自動車、バイクの調達額も急減したことだ。

 これは規則性があり、年末には輸入額が急増する。

Q.逆に2010年の1月と2月の輸出額は前年末より大きく変わらない。
 輸出状況がまだ良くなっていないのでは?

A.昨年11月・12月と比較して、今年の輸出状況は、
 特に、軽工業は良くなって来ている。
 ただ、農産物の輸出額は減っている。

 昨年年初には政府が金を再輸出し、14億USDに達した。
 そのため、金を除く今年の輸出額は前年同期より高く増加した。

 他にも、昨年年初に世界経済が衰退状況になったが、
 今年は経済が回復する状況が整った。
 多くの商品の輸出単価が去年より大きく上昇した。


為替レートの調整による影響

Q.ここ最近は輸入超過が減る傾向にあり、20億USD以上から
 10億USD以下に減った原因は何か?

A.確かなのは、VND/USDの為替レートが最近2度調整され、
 2月11日に1USDが19,100VNDに引き上げられた。

 より高い為替レートにより、輸入者は慎重になっている。
 今の様な高い為替レートで輸入される製品は簡単に販売できない。

 昨年、輸入に対する資金貸出手続きが厳しくなり、
 最近は資材輸入単価も、特に、石油、金属の関係商品が、
 連続して上昇している。

 また、国内で生産できる質の高い製品と同様のものを
 輸入することを避けるために、
 輸入に対する監査政策も重視されている。
 この様に輸入額が大きく、輸入超過額が大きいと、
 貿易収支がバランスを取れない。

Q.輸出は輸入超過の減少を支えているか?

A.輸出について、USD/VNDの為替レートが上がると、
 USDがVNDより高くなるので、輸出を支える。
 また、輸出企業に対する外貨資金貸出支援政策が輸出活動を支える。
 輸出が輸入より急増することは、輸入超過額を減らすための
 最適な策である。

Q.原油、石炭、お米等の輸出の主力商品の輸出額は
 前年同期より減ったか?

A.原油、石炭の輸出を減らすことは政府の長期的な政策である。
 現在、国内で開拓された原油は50%がベトナム国内で精製される。
 石炭については、今後輸入計画もあるので、輸出が徐々に減らされる。

 コメの輸出は新規に締結された契約はないが、
 3月には輸出額が増えると期待されている。
 その他、繊維、水産の輸出額も小さくない。


輸入超過の抑制 難航

最近の世界の状況は非常に困難で、現在、ヨーロッパは、
特にギリシア、オランダー、ドイツ等の経済が、
様々な問題に直面している。

経済危機がまた再発する場合、ベトナムの輸出は困難になる。

アメリカは、最近USDが強くなっているが、
経済状況はさほど明るくなっていない。
この市場の輸入状況は、ベトナム輸出に対して大きく影響を与える。

日本は、ベトナムが主に加工工業製品を輸出する。
例えば、電気ケーブルの輸出はまだ影響を与えられていないが、
日本の自動車製造業者が困難に陥った場合は、
これらの企業の輸入が止められ、ベトナムの輸出活動に影響を与える。

輸入超過を抑制するため、為替レートの調整、輸出企業に対する
外貨貸出等の政策が絶対に有効になる。
ただ、輸入超過を抑制するために輸出を促進することは
世界の状況に頼ることになる。

しかし、昨年1年間でベトナム企業は最も困難な時点に
積極性と柔軟性を示した。

輸入超過は周期性を表し、旧正月とも関係する。
経済活動が平常に戻れば、輸入超過の減少は維持しにくくなる。



Vneconomy.net 2010年3月1日

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