ブルーチップ ベトナム投資ニュース

ベトナム企業が買収側に

2009年は、M&A活動が世界的に減少傾向にあった。
Thomson Reutersの統計によると、
2009年、世界のM&A取引総額は1.63兆USD（前年比39.2％減）、
件数は30,830件であった。
しかし、ベトナムでの M&A活動は、逆方向に向かっている。

Avalue Vietnam株式会社の統計によると、
ベトナムでの2009年に発表されたM&Aの案件数は
安定した増加傾向にあり、230件であったが、
総額は前年の11億USDから軽く減少した。
PriwaterhouseCoopersの最新研究によると、
ベトナムでのM&Aが年末に続出しやすいことから、
今年は案件数、総額共に軽く増加するものと見られている。

ベトナム証券市場は、2009年2月時点で230ポイントに下がり、
審査価値もIndexと共に減退傾向であったため、
取引規模は以前より減少した。
この数字は、多くの外国企業が
母国やベトナム等の新興国市場において、
活動範囲を拡大する戦略を再検討している、という事実をよく反映している。
国際経済の衰退は、M&A活動に大きく影響を与えてきた。

ベトナムで行われていたM&A取引は、中小規模の案件が主であった。
500万USD以下か、2,000万USD以上の取引が最も多い。
大規模 M&Aは、民営化する国営企業と、
その戦略パートナーとが関係している案件である。
これらの企業が民営化を延期しているのは、
なかなか戦略パートナーが見つからないためである。

ベトナムでのM&Aでは、財政・銀行・工業分野が大きな割合を占めている。
不動産へのFDI活動や、不動産案件売買活動も
引き続き積極的に行われている。
IT、通信、薬品、医療、健康保護等の分野でも取引が盛んだ。

銀行分野では、外国への投資に関して、注目すべき案件もあった。
2009年7月にBIDVが
ベトナム100％出資の投資開発株式会社（IDCC）を設立、という案件がそれだ。
この企業の資本金は1億USD、
BIDVとPhuong Nam株式会社より出資された。
IDCCはカンボジアの民間銀行、PIB投資銀行を買収し、
カンボジア投資開発銀行に名義変更を行った。
これは、M&A活動をベトナム企業が主導的に行った典型的な例である。

ここで面白いのは、以前であれば、
M&Aや戦略パートナーについて話す時、外国投資家のことを考えていたのが、
今は観点がかなり変わってしまっていることだ。
2008年の統計によると、
ベトナム企業が同じベトナム企業を買収する案件は、
M&A市場全体の40％を占めていた。
その一方、ベトナム企業が外国企業、又は外国企業の一部を買収する案件は、
全体の4.62％を占めるに留まっていた。

典型的な例は、2009年に
Viettelはカンボジア市場へ投資を行ったことで、
外国投資を行う、初のベトナム通信会社となった。
同社はアジア、アフリカ、ラテンアメリカの携帯電話会社に出資を行い、
買収計画を進めている。
Kinh Do、Hoa Phat、Hoang Anh Gia Lai、Prime Group等の
一連の民間企業も強化され、特定のM&A活動を促進している。

2010 年は大規模M&Aの年となるか?

財政専門家業界の評価によると、
2010年のM&A市場は、世界的な経済回復の状況の他、
政府政策や、投資家の動きと戦略により、大きく状況が変わるだろう。
長期的には、国内M&Aは質量共に今後も大きく成長する見込みがある。
国内M&Aの傾向については、成長が続いている。
2009年からの傾向は、外国企業がベトナム企業を買収し、
ベトナム企業がベトナム企業を買収する、という状況が続いている。

2009年から投資家らは、
Vietcombank、Vietinbank、Mobifoneの戦略パートナー交渉に関しての、
大規模取引を待っているものの、結論はまだ出ていない状況だ。

Dang Xuan Minh－Avalue Vietnam代表取締役社長は、
5月25日にホーチミン市で行われた
「2010年ベトナムM&A」フォーラムでの記者会見で、
「我々は政府や企業の努力により、
大規模M&A活動が行われることを確信している。」と述べた。

M&Aに関する重要な情報としては、
VCGがCam Phaセメント会社の買収計画を促進していること、
FPT、CMCの株主総会が、
子会社のM&A活動のために一部資金を供給することに合意したこと、
ViettelがバングラデシュのTeletalk携帯電話会社の60％を買収したこと、
HaitiのTeleco通信会社の70％を購入するために、
5,900万USDを投資すること、などである。