ブルーチップ ベトナム投資ニュース

Ho Nghia Dung交通省大臣によると、
この高速鉄道はEMU技術（日本の新幹線技術）を利用したもので、
完成すれば、鉄道の幅は1.435mm、
最高時速は300Km/h（設計速度＝350Km/h）に達するものである。

本計画の投資総額は558.53億USD（約3560万USD／km）、
2012年に建設を開始し、
2020年からHanoi－Vinh市間とNha Trang市－Ho Chi Minh市間で開通、
2030年からはVinh市－Da Nang市間で開通し、
2035年の全線開通を目指す。

全長1,570kmで、この高速鉄道は20省市に渡って敷かれ、
27の駅を設ける予定。

立ち退き料は34兆VND以上

5月12日に提出された追加報告書の中で政府は、
この件に関して、投資のさらなる重要性について言及している。
安定した交通システム整備のためには、
この南北鉄道が大変重要な輸送手段となってくるからだ。
そのため、高速鉄道への投資は、
2020年までに現代工業国家となることを目指すベトナムにとって、
なくてはならない前提条件なのである。

政府も「実際の投資額が、想定額を大きく上回る可能性は低い」ことを強調している。
その理由は、想定額が日本の試算（他の国より高い）を基に確定しており、
USDで計算され、準備資金は全体の13％で計算されているからである。

報告書によると、計画の実施にあたり、
約16,500世帯の住宅地、農業用地、林業用地に
影響を及ぼす可能性があるという。
賠償金や移住用の経費は約34.208兆VNDと試算されている。
ただ、実際の調査結果からは、更に多くの経費がかかるものと見られている。
移住費だけに留まらず、移住者に対して
転職のための教育費もかかってくるからだ。

実施力に検討の必要あり

国会科学技術環境委員会からの審査報告書には、
南北高速鉄道計画の実施性についての懸念が記されている。

審査機関は資金面から見て、
560億USDという膨大な資金の調達能力に対し懸念を抱いている。
1km当たりの投資額は、平均6,800億VND（3,560万USD/Km）
にも上ることになるのだ。

第1期の投資総額は210億USDで、
毎年26.3億USDの支出を迫られることになる。
また、この投資額が主に外国借款である。
現在、ベトナムの外国借款はGDPの約38.9％を占めており、
国債はGPDの42％を超え、
外貨準備資金が低いという昨今の背景においては、
計画実施によって、国の将来的な負債を増大させることに繋がる恐れが大きい。

同報告書は、この計画の財政的効果の低さにも言及している。
例えば、航空運賃の75％で運用した場合、
投資資金の回収率（FIRR）は、2.4～3％にしか達さず、
最低45年もかかることになる。
有効的に投資する場合、回収期間が約10年とされる今日、
この返済計画は、非常に非効率的であるといえる。