« 南北高速鉄道 建設計画が一部決定 | メイン | 銀行が国債に注目 »

2010年05月24日

ベトナムへのFDI  投資傾向変動


5月21日、ハノイ市において、計画投資省は
「近年、外国投資の規模が急速に拡大し、
10億USDの案件が増えた」とした。


この10年間のベトナムへの外国投資について、
投資申請案件は8500万、申請額は1240億USDに上った。
実施額は480億USD近く。
FDIの投資額は全体の25~30%を占め、
輸出額の成長率は25%以上。56%を達した年もあり、
労働者も170万人となった。
2009年の国家予算へも約25億USDを納入した。

計画投資省外国投資局の評価によると、
FDIが経済構造の変動に影響を与え、技術移転を促進、
国家予算にも貢献し、行政手続の改善を促進するために、
他の経済活動へ幅広く影響を与えた。

ただ、実際、FDI資金の構造は変動している。


投資額:工業分野へ減少、サービス分野が増加

高野駐ハノイ日本貿易促進機構(JETRO)所長は
最近の日本企業の投資傾向の概観を評価した。
これにより、最近、JETROを通じて
ベトナムへの投資機会を探している日本の投資家の
投資需要が変わった。

高野所長は「加工・製造業への投資が以前より減り、
建設、小売、サービス分野が徐々に注目されている」と述べた。

計画投資省外国投資管理局の統計によると、
2001年から2009年までのFDI構造が大きく変更した。
2000年代初頭までには工業・建設分野へのFDI投資資金は
全体の85%を占めていたが、昨年までに、
これらの分野への投資は全体の22%と減少。

また、同期間でサービス分野への投資の割合が
7%から77%に増加した。

ハイテク分野の加工・工業への長期投資であるIMF推奨の
「FDI調達基準」と比較すると、ベトナムは後退している。

Nguyen Mai博士―外国投資企業協会会長は
特に注意したことは、外国合弁会社の割合が、
この10年間で70%から20%に減少したが、
100%外国企業の割合が70%に増加した。

特に近年、技術移転及び社会経済発展に対する
FDI企業の影響は弱まっている。

近代技術を有している日本、EU等の国は、
FDIの中で小さな割合しか占めていない。
アメリカは2009年に1位になり、
大規模投資案件は、主に、宿泊、不動産分野への
投資案件となっている。

FDI調達資金が急速に発展したこの10年間で、
ベトナムはどんな技術を身につけたか。
回答はまだない。


利益と損失

Nguyen Mai教授によると、最終的な効果は、
外国投資関係企業からの国家予算の収入が大きくない。
この10年間の実施額は480億USDとなり、
国家予算への入金も年間約10億USDである。
この割合は相当なものではない。

優遇な政策が適用された投資の初期段階には、
企業の活動が固定資産の償却に支配され、
生産能力を最大限に活かせず、利益も低いことは理解できるが、
投資家の実施制約と共に、現地の優遇措置も実施されない。

2009年には、ある南部の地方自治体では、
現地の40%のFDI企業が一斉に赤字と報告した。
この成績はFDIの競争能力について疑惑を投げかけた。
また、FDI企業の「不正の業績」を報告したとも考えられる。

貢献は制限されたが、FDI企業が環境を大きく破壊している。
外国投資管理局は「数社の外国投資企業は、
環境保護の規定を厳守せず、環境管理機関に指摘され、
罰金を課せられてから始めて、廃棄物の処理システムを動かす」
とした。

また、中央政府と地方行政機関の管理体制が、
まだ緊密的になっていない。

外国投資局は「地方自治体は、FDI調達・管理に対する
詳しい認識を持っていない。地方が目前の利益だけを見て、
投資を認可している。投資の質ではなく、数で競争し、
経済全体に影響を与えている」とした。



Vneconomy.net 2010年5月24日

« 南北高速鉄道 建設計画が一部決定 | メイン | 銀行が国債に注目 »

    ・本資料に記載された情報の正確性・安全性を保証するものではなく、
     万が一、本資料に記載された情報に基づいて
     皆さまに何らかの不利益をもたらすようなことがあっても 、一切の責任を負いません。
    ・本資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、
     投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。
    ・本資料の全部または一部を無断で複写・複製することを禁じます。

運営会社編集方針お問い合わせプライバシーポリシー