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2010年06月03日

工業分野の構造にジレンマ


近年、ベトナムの工業分野は
安定的かつ急速に発展しているが、
それは質の向上ではない。
製造、加工への構造の移行が非常に遅いのである。



どのような工業分野が最先端か?

電気機材の製造産業の投資営業企業、
Viet AグループのPham Thi Loan会長兼社長は、
長期的な工業発展に関するマクロ政策がないため、
自社の発展戦略を立てることができない。
Loan氏は
「造船、機材製造等の具体的な産業分野に対する
 短期工業開発政策があるが、その政策の実施が適正でないため
 あまり効果的ではない。」 と述べた。

長年、繊維会社を経営していたが、
現在、工業団地のインフラ整備に投資をしている
Nguyen Thi Nguyet Huong氏によると、
2020年までの発展計画を達成するためには
最先端工業分野を選択するべきである。

ベトナムは基本的に近代化工業国となることが
非常に重要な課題である。
元々農業経済を有する国からスタートし、
人口の70%が農村に住み、農林関係の職業に就いている。
近代化工業国になるためには、
裾野産業及びプローの加工産業を
優先的に発展させる必要がある。


工業構造 移行の遅れ

2010年の工業分野の目標は
「最高の生産価値への成長率及び工業の付加価値」
である。
生産価値は、2009年比12%増加し、
工業分野全体の付加価値が2009年より5.7%増加した。

これらの目標を達成させるために
工業省が各地方、各分野の工業生産速度を上げる任務に
取り組んだ。
販売市場があり、国内需要に対応できる
競争力が高い工業分野、工業製品を急発展させる。
今後、注目するべき分野は
電気、石炭、建設用の鉄、ガソリン、肥料等である。

工業省の幹部によると、
上記の目標が定量的であり、
優先的な開発ポイントが選択されていない。
そのため、毎年の工業生産価値は
高い成長率に達するが、安定的な成長ではない。

2009年の経済社会状況に関する
国会経済委員会の最新調査によると、
2010年第1四半期の工業生産価値/工業分野の付加価値が
2.46倍で、前年より高い(2009年は1.9倍、2008年が1.62倍)。

この状況が今後改善されない場合、
どのようなことが発生するのか――
2010年には工業分野の成長のために
資金を使いすぎてICORが非常に高くなる。
この様なことが工業分野だけではなく
社会全体に影響を与える。

政府の要請を受けて
「経済再構造計画」の経済構造を分析した計画投資省は
加工工業が常に主な割合(85.6%)を占め、
他分野より増加する傾向であるが、
構造の移行がまだ遅い。
加工工業は主に粗加工であり、
原料が殆ど外国から輸入されているので、付加価値が低い。
細工工業、技術力が高い工業は
加工工業の7~8%程度しかない。
そのため、工業分野の発展は起爆剤とはならず
明確な発展路線が形成されないのである。


サイゴンエコノミックスタイムズ  2010年6月2日

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