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2010年06月10日

ミルク市場 シェアの85%は外国企業


現在、ベトナム国内のミルク原料は
コンデンスミルク、生ミルク、ヨーグルトの
生産需要の一部しか対応できない状況であるが、
粉ミルクの原料は100%外国から輸入されている。


ベトナムミルク(Vinamilk)、
Dong Tam栄養製品生産株式会社(Nutifood)、
FrieslandCampina等の
ベトナム企業の粉ミルク製品は
全て輸入原料で生産されている。

ベトナム製ミルクと外国製ミルクの概念は
まだ明確ではない。
上記のミルク会社は
殆どがミルクの生産の最終過程だけを行う。

例えば、成分を足し、乾燥し、混ぜ、包装する。
そのため、ベトナムの消費者は
ベトナムのミルク会社が生産した粉ミルクを
「ベトナム製ミルク」と呼び、
箱又は缶で輸入されたミルク製品を
「外国製ミルク」と呼んでいる。

ミルク会社や
マーケティング専門家の評価によると、
現在、子供用の粉ミルクを含む
粉ミルク市場の85%が
外国ミルク会社で占められている。
そのうち、シェアが大きいメーカは
Abbott(26.8%)、FrieslandCampina(26.7%)、
Mead Johnson(13.9%)。
次いでDumex、Nestlé等の会社である。
ベトナムミルク産業を代表する
Vinamilkは約12.6%のシェアを占めている。


品質の検査能力が不十分

ミルク会社は品質表示として
通常成分を包装の上に掲載する。

保健省食品衛生安全管理局によると、
包装の上に掲載された成分の検査が非常に困難である。

ミルクの成分を分析するためには
分析機材等の現代な科学技術施設を
整備する必要があるが、
現在、ベトナムでは対応できない状況である。

ミルク専門家、栄養専門家の評価によると、
外国から完全に輸入された粉ミルクの成分は
ベトナム製の粉ミルクと基本的に同様である。
これらの製品は子供の成長のための
栄養に対応できるものである。

ミルクのマーケティング専門家の評価によると、
高級ミルク製品があまり販売されていない。
中級のミルク製品、
一般労働者を対象する製品が
最も注目されている。
販売価格は、
高級製品と中級製品の格差が約20%である。


ミルクの価格が急速に変動

近年、子供用の粉ミルクを始め
粉ミルク製品の平均価格は連続的に上昇している。
2007年には粉ミルクの価格は
1トン当たり平均15億5729万VNDだったが、
2008年には18億7956万VNDに上昇した。
2009年の年初8ヶ月で市場での販売価格は
1トン当たり平均19億7065万VNDで、
2008年より4.8%、2007年より26.5%を上がった。
つまり、2年間で粉ミルクの平均価格が
30%近く上昇したのである。


ミルク輸入会社は約230社

税関総局の報告によると、
2007年から2008年にかけて、
ミルクの輸入額が急速に増加した。

ミルク原料とミルク製品の輸入総額は
2007年に29億1191万9521USD、
2008年に32億2045万4430USD(前年比10.6%増)
に達した。

2007年から2009年まで
約230社がミルク原料及び
ミルク製品を輸入した。

このうち、ミルク製品と自社生産用の原料を
輸入する会社が約50%を占め、
残りが販売用のミルク原料を輸入している。

2009年の年初2ヶ月で
オランダからのミルク輸入総額が
943万USD(全体比21.27%)で最も多かった。
2番目はニュージーランドで780万USD。

現在品質が高いミルクを生産できる国は
僅かであり、世界中では主に
アメリカ、オーストラリア、
ニュージーランドである。
そのため粉ミルクを生産する
ベトナムミルク会社は
アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド
などから輸入している。


ミルク産業の売り上げ

2007年のミルク産業の売り上げは
2000年より3.18倍増加で、
4億1946万VNDから13億3617万VND、
1年間で平均18%成長する。

2001年から2007年まで、
国営企業セクターの売り上げが
高い成長率を達成し、年間57.15%である。

2007年からベトナムミルク会社が
民営化されたので、
国営セクターの成長率が急速に減少した。
2000年から今まで、
人民の生活が大きく改善されたため、
ミルク産業は大きく成長し、
年間平均9.06%。
一人当たりのミルク消費が
年間7.85%の成長率に達し、
2000年の8.09リットル/人から
2008年の14.81リットル/人に上がった。

ベトナム市場は8600万人以上の人口があり、
人口増加率が年間平均1.2%であるため、
毎年約100万人の子供が生まれる。
GDP成長率が年間6~8%になり、
栄養失調の割合が20%であるベトナムは
ミルク産業の潜在発展力が非常に大きい。

また、上記の統計では
2008年のミルク消費量は
14.8リットル/人であるが、
アジア地域内をはじめ、世界のほかの国と比べて
非常に低い。

例えば、

▽スイス…140リットル
▽オランダ…120リットル
▽オーストラリア…110リットル
▽台湾…40リットル

(すべて年間/人)

ミルク製品は殆どが
経済発展している大都会で販売されている。

栄養管理局の統計によると、
ミルクの消費については
都会に住む人が農村に住む人より4倍高い。

また、ミルクの消費構造が変化している。
2002年には粉ミルクが全体の約25%を占めたが、
今が約21%である。
殺菌ミルク、生ミルク、ヨーグルト等の
ミルク製品に対する需要が急速に増加している。

現在、ベトナム市場では
約300種類のミルク製品が販売されている。
ベトナム製の製品が輸入製品と激しく競争している。
一番高く売れた製品は
子供用ミルク、老人用ミルク、
妊婦用ミルクである。


CafeF.vn 2010年6月9日

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