ブルーチップ ベトナム投資ニュース

現在、米販売企業は、政府の指導を受け、米を購入している。
しかし、米の価格は非常に安く、1kg2,500～2,800VND程度に留まっている。

需要減少、世界的な競争激化

先日、国連食糧農業機関（FAO）は、
2010年に全世界の米生産量が4.56億tに達した一方で、
消費需要は4.54億tに留まることを明らかにした。
また、在庫米も1.235億tの余剰があり、
年末にかけての米の需要は、徐々に減少するものと見られている。

ベトナム米協会（VFA）によると、
今年、ベトナムでは600万tの輸出目標を達成する可能性が高い。
しかし、輸出額は2009年を下回る見込みである。
年初VFAは、2010年は米輸出にとって豊作と考えたが、
実際、世界で多くの国が豊作となったため、
タイやベトナムの米の輸出価格に、引き下げ圧力が強まっている。

また、インドも米輸入国から米輸出国になったため、
競争はさらに激化している。
インド農業省からの情報によると、
7月、インドはバングラデシュやイラク等の
ベトナムにとっても米輸出拡大が見込める市場と、
米輸出契約を締結したという。

タイの商業省によると、
年初から現在まで、タイからは430万t以上の米を輸出している。
タイの今年の輸出目標は850万tで、この数字を達成させるため、
今後、輸出価格を値下げする予定であるという。

国内の値下げ圧力

現在まで、ベトナムは360万トン以上の米を輸出、
輸出額は16億USD以上となっている。
アメリカ農業省(USDA)によると、
7月のベトナムの米輸出価格は、
FOBで1t309.29～351.43USDであるという。

ベトナムは以前に締結した契約に基づき、
フィリピンにも米を輸出している。
今後、フィリピンは、より低価格で米を輸入するものと見られるため、
一括入札に替わり民間企業を対象に、
100～1,000トンの米の入札を行う予定である。

また、現在、Benigno Aquino III 大統領は、
ベトナム北部食糧公社(VINAFOOD 1) に対して、
米の調達期間を12月末までに延期することを求めた。
理由は、フィリピンの米の在庫が満杯であり、
以前Arroyo大統領政権が締結した米購入契約について、
捜査する計画があるためである。
（2009年に米価格が上がったにも関わらず、
　多くの米購入契約を締結した原因について）
フィリピンがベトナムから米の輸入を停止した場合は、
ベトナム政府は、100万トンの米保有計画に影響を受けることとなり、
農家からの米の調達価格は上がらない状況になるだろう。

現在、ベトナムの米販売会社は、
ブラジルと南アメリカ諸国に接触しているが、
状況が余り芳しくない。
アフリカ市場は米に対する需要が高いが、
支払い面でのリスクが大きく、
ベトナム企業は本腰を入れにくい状況となっている。