開発進まぬ農業保険
ベトナムは農業国家であり、人口の70%が農村で暮らしている。
しかし、農業保険の発展は未だ不十分な状況である。
サイゴンエコノミックスタイムズ 2010年8月23日
しかし、農業保険の発展は未だ不十分な状況である。
以下はベトナム保険協会事務局長-Phung Dac Loc氏に対し、
ベトナムで農業保険が発達しづらい問題について、
インタビューを行った内容である。
Q:現在、ベトナムの保険分野(生命保険を除く)の中での、
農業保険の割合は?
A:売上は、保険分野(生命保険を除く)の中でも特に少ない。
2009年は保険全体で13.644兆VNDの中、17億VNDに留まった。
今年も年初6ヶ月で9.58億VND(全体では8.241兆VND)である。
Q:現在、ベトナムは人口の70%が農業で生計を立てているが、
なぜ農業保険は発展しないのだろう?
A:それにはいくつかの理由がある。
(1)農業保険は生物を対象とする保険である。
生きているものは、気候、土地等の自然の要素に大きく左右される。
例えば、家禽は天気が多少変わると、直ぐ病気になる。
しかし、バイクや、車両は気候によりそこまで影響を受けない。
農業保険の場合、その対象が、
遺伝子、養殖制度、警備制度、予防接種等の要素に大きく左右される。
飼育、栽培分野が一定の生産能力を確保するためには、
具体的な計画を立てる必要がある。
ただ、現在、農村部では飼育ひとつにも基準がない。
一つの家庭が何百平米の畑を栽培し、
何匹の豚を飼育しているのか把握もおぼつかない。
そのためリスクが高すぎ、保険を設定できないのだ。
(2)リスクが高く、保険料も高いため、
肝心の農家に支払い能力がない。
生産営業分野では、単価に基づき売上が計算されるが、
農業分野の場合、自然環境に大きく左右される。
豊作の年では単価が下がるため、
農家が事前に売上を計算することができない。
そのため、農業従事者はリスクを嫌い、
高い保険料を支払うことができないのだ。
(3)保険会社の管理手数料が非常に高額である。
農業保険を購入するためには、具体的な管理体制を確立する必要がある。
保健会社が各村に駐在を置き、
農家に感染病の防止、農作業にもアドバイスを行う必要がある。
また、保険会社もリスクを制限する方法として、
天災防止の準備資金を用意しなくてはならない。
そのため、保険会社の管理手数料が非常に高くなり、
負担できない会社も多い。
(4)最後に、農業保険実施に関する暴利がある。
農家は村単位で暮らしているため、
人間関係は非常に濃密であり、
リスクが発生した場合、互いに利益を守りあう関係にある。
例えば、フランスのGroupama保険会社が、
2001年からベトナムに参入し、
メコンデルタでの家禽の飼育、海老養殖 に対して保険サービスを開始した。
この会社は、フランスから特定の目印を輸入し、
保険対象となる鶏の足にそれをはめる、と言う方法を採ったが、
直ぐにホーチミン市で偽物が流通した。
保険加入者は偽の目印をホーチミン市で買い、
自分の鶏の足につけた。
そのため、同社は現在、
農場にだけは保険サービスを展開しないことにしている。
Q:政府は農村部への支援を目指している。
それを踏まえて保険協会は政府に対し、
天災・感染病に関するリスクに直面する農村部に、
どのような保険を提案しているのだろうか?
A:政府は、財務省と農業農村開発省に対し、
農業保険計画の実施について指導した。
中でも、米栽培に対する保険は、
Nam Dinh省、Thai Binh省、Nghe An省、
Ha Tinh省、Binh Thuan省、An Giang省、
Dong Thap省で試験的に展開されている。
豚、牛の飼育に対する保険は、
Bac Ninh省、Nghe An省、Dong Nai省、Vinh Phuc省、
Hai Phong省、Thanh Hoa省、Binh Dinh省、Binh Duong省、
Hanoi市で、こちらも試験的に実施された。
Tra魚、Basa魚、海老養殖に対しては、これも試験的に、
Ben Tre省、Soc Trang省、Tra Vinh省、Bac Lieu省、
Ca Mau省で実施されている。
政府は、貧困に喘ぐ農村部に対しては、
保険手数料の80~90%を、
一般的の農家に対しては60%、
農業生産機関に対しては50%を支援する計画を検討している。
この計画は2010年4月9日に提案され、
政府の検討を待っている状況にある。
ただ、この計画を受け付けてくれる外国保険会社が、
見つかっていないのが大きな問題となっている。
国内保険会社もみ参加した場合、
洪水の障害などは負担できないため、
海外機関に再度加入しなくてはならなくなる。
ベトナムで農業保険が発達しづらい問題について、
インタビューを行った内容である。
Q:現在、ベトナムの保険分野(生命保険を除く)の中での、
農業保険の割合は?
A:売上は、保険分野(生命保険を除く)の中でも特に少ない。
2009年は保険全体で13.644兆VNDの中、17億VNDに留まった。
今年も年初6ヶ月で9.58億VND(全体では8.241兆VND)である。
Q:現在、ベトナムは人口の70%が農業で生計を立てているが、
なぜ農業保険は発展しないのだろう?
A:それにはいくつかの理由がある。
(1)農業保険は生物を対象とする保険である。
生きているものは、気候、土地等の自然の要素に大きく左右される。
例えば、家禽は天気が多少変わると、直ぐ病気になる。
しかし、バイクや、車両は気候によりそこまで影響を受けない。
農業保険の場合、その対象が、
遺伝子、養殖制度、警備制度、予防接種等の要素に大きく左右される。
飼育、栽培分野が一定の生産能力を確保するためには、
具体的な計画を立てる必要がある。
ただ、現在、農村部では飼育ひとつにも基準がない。
一つの家庭が何百平米の畑を栽培し、
何匹の豚を飼育しているのか把握もおぼつかない。
そのためリスクが高すぎ、保険を設定できないのだ。
(2)リスクが高く、保険料も高いため、
肝心の農家に支払い能力がない。
生産営業分野では、単価に基づき売上が計算されるが、
農業分野の場合、自然環境に大きく左右される。
豊作の年では単価が下がるため、
農家が事前に売上を計算することができない。
そのため、農業従事者はリスクを嫌い、
高い保険料を支払うことができないのだ。
(3)保険会社の管理手数料が非常に高額である。
農業保険を購入するためには、具体的な管理体制を確立する必要がある。
保健会社が各村に駐在を置き、
農家に感染病の防止、農作業にもアドバイスを行う必要がある。
また、保険会社もリスクを制限する方法として、
天災防止の準備資金を用意しなくてはならない。
そのため、保険会社の管理手数料が非常に高くなり、
負担できない会社も多い。
(4)最後に、農業保険実施に関する暴利がある。
農家は村単位で暮らしているため、
人間関係は非常に濃密であり、
リスクが発生した場合、互いに利益を守りあう関係にある。
例えば、フランスのGroupama保険会社が、
2001年からベトナムに参入し、
メコンデルタでの家禽の飼育、海老養殖 に対して保険サービスを開始した。
この会社は、フランスから特定の目印を輸入し、
保険対象となる鶏の足にそれをはめる、と言う方法を採ったが、
直ぐにホーチミン市で偽物が流通した。
保険加入者は偽の目印をホーチミン市で買い、
自分の鶏の足につけた。
そのため、同社は現在、
農場にだけは保険サービスを展開しないことにしている。
Q:政府は農村部への支援を目指している。
それを踏まえて保険協会は政府に対し、
天災・感染病に関するリスクに直面する農村部に、
どのような保険を提案しているのだろうか?
A:政府は、財務省と農業農村開発省に対し、
農業保険計画の実施について指導した。
中でも、米栽培に対する保険は、
Nam Dinh省、Thai Binh省、Nghe An省、
Ha Tinh省、Binh Thuan省、An Giang省、
Dong Thap省で試験的に展開されている。
豚、牛の飼育に対する保険は、
Bac Ninh省、Nghe An省、Dong Nai省、Vinh Phuc省、
Hai Phong省、Thanh Hoa省、Binh Dinh省、Binh Duong省、
Hanoi市で、こちらも試験的に実施された。
Tra魚、Basa魚、海老養殖に対しては、これも試験的に、
Ben Tre省、Soc Trang省、Tra Vinh省、Bac Lieu省、
Ca Mau省で実施されている。
政府は、貧困に喘ぐ農村部に対しては、
保険手数料の80~90%を、
一般的の農家に対しては60%、
農業生産機関に対しては50%を支援する計画を検討している。
この計画は2010年4月9日に提案され、
政府の検討を待っている状況にある。
ただ、この計画を受け付けてくれる外国保険会社が、
見つかっていないのが大きな問題となっている。
国内保険会社もみ参加した場合、
洪水の障害などは負担できないため、
海外機関に再度加入しなくてはならなくなる。
サイゴンエコノミックスタイムズ 2010年8月23日