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2010年10月01日

円高で負債50兆VND以上増加?


昨今の急激な円高に伴い、日本のODAのベトナム債務が
50兆VND以上増加する可能性があることが明らかとなった。


上記計算は、計画投資省の
年初9ヶ月の経済社会報告書に掲載されたものである。

円高については、8月の定期報告でも強く言及されていた。
日本の経済成長と、日本企業の心理にも大きな影響を及ぼしている。

JPYは断続的な高騰を続けており、
9月14日には1USDあたり82.88JPYで取引され、
この15年間で一番高いレートとなっている。

こうした状況から、日本政府は外貨市場に介入、
JPYを売りUSDを購入する動きをとった。
2010年9月10日、日本政府は急激な円高と、
経済危機に対応するため、
9,150万円の経済引上げ対策の実施を決定した。

今回の対策は、2004年以来の外貨市場介入となる。
介入後、JPY/USDの為替レートは
一旦1USD85.93JPYに落ち着いた。

計画投資省によると、こうした現状は、
ベトナムに対し、良くも悪くも大きな影響を及ぼすだろうと見られている。

日本はベトナム最大の貿易相手国であり、
現在ベトナムからは輸入超過の状況にある。
円の高騰によって、日本への輸出活動は有利になるが、
ベトナムへの輸入活動は不利となる。
そのため、この状況を活用し、
ベトナムは日本への輸出活動を促進するとともに、
輸入超過を管理する対策を実施する必要がある。

一方、日本企業にとっては、為替レートを利用し、
投資経費を減らし、ベトナムへのFDI実施を促進するチャンスとなる。

対越ODA支援資金も増加する可能性がある。
日本はベトナムにとって最大のODA支援国であるため、
円の高騰により、ベトナムの負債(VNDで計算した場合)も増加することになる。
ODAで実施されている案件は、
これにより不利な影響を受けることになる。

計画投資省の計算によると、
現在までに、日本の対越ODA支援総額は1,394兆JPYである。
以前、この負債は140億USD前後であったのが、
現在は163億USDに膨らんでいる。
VNDで計算した場合、以前対日の借金は251兆VNDであったものが、
現在304.5兆VNDとなり約53兆VND増となっている。

8月の計画投資省の報告では、
対越ODA支援資金は1.394兆JPY、157億USD相当であった。
しかし9月には163億USD近くにまで上昇している。

9月末までに1USDあたり88.7JPYとなった場合、
負債総額は157億USDとなる。
また1USDが85.52JPYとなった場合、
総額は163億USD近くとなる。
ベトナム銀行システムの為替レートで計算すると、
1ヶ月でODA負債が11.359兆VND増加したことになる。



Vneconomy.net  2010年10月1日

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