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2010年10月28日

出生男女比 格差増大に警鐘


近年、ベトナムの出生性別のバランスが崩れており、
男性の割合が、他の国に比べ、急増している状況にある。


ハノイ市で行われた国連人口基金(UNFPA)の記者会見では、
この5年でベトナムの出生時の男女差が急速に広がっており、
他国に比べても、複雑な変動を見せていることが明らかとなった。

現在、ベトナムでの出生性別の割合は、
男110.5人/女100人となっている。
インドの112/100、中国の120/100、アゼルバイジャンの117/100
に比べれば、その割合は低いものの、
近年ベトナムでは、出生性別の格差の広がり方が、
世界一の速さとなっている。

これはベトナム人口安全に関しても、
大きな問題となっており、世界の注目を集めている。

特に、母親の学歴が、性別の比率と密接に関係しているのだという。
高学歴の女性が、男子を産む可能性が高い、とされるのだ。
具体的には、小学校卒以下のレベルの女性の出産比率が、
男107人/女100人であるのに対し、
中等教育卒や職業訓練学校卒業の女性の場合111/100、
高等専門学校以上の学歴を有する女性だと114/100の比率となる。

Bruce Campbell氏は、
アジア地域の他の国では、母親と子供の性別の関係は全く見えないが、
ベトナムでは、それがよく現れている、としている。

このことについて、Pham Nguyen Bang博士-UNFPA事業担当者は、
ベトナムではどんな家庭でも「男の子が欲しい」と言われており、
男を家庭の大黒柱とする認識が強い。
しかし、学歴の高い女性は、
ベトナム社会の中で、最も収入の大きいグループであり、
出産比率も低い。
情報と技術と接する機会も多いので、
男の子の出産比率が高くなるのだという。

国連人口基金の報告によると、
出生男女比率は、家庭の経済状況や社会の立場から、
大きく影響を受けるものである、という。
最貧困層は男女比率が通常通り105/100であるのに対し、
富裕層の男女比は112/100に引き上がるのだ。

専門家によると、政府から干渉がない場合は、
この男女比のアンバランスは、2015年まで続くと予測されている。
出生男女比率が115/100で維持された場合、
2049年には、12%の男性(1年で60人増)が余る計算となる。

韓国は30年前、ベトナムと同様に出生男女比の差が大きかったが、
韓国政府が男女平等に 親の財産を相続できる、との規定を定め、
医者が胎児の性別を事前に教えることが禁止され、
男尊女卑を解消するための宣伝活動を促進した結果、
男女比率のバランスは、徐々に回復したのだと言う。



サイゴンエコノミックスタイムズ  2010年10月28日

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