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2010年11月03日

増えるタンス預金 経済停滞に懸念


大量の金とUSDが各家庭に確保され、
市場に流れないため、正式な数字を把握することができない。
これは、今後の経済発展にリスクを与えることになりそうだ。


金とUSDを自宅保管することが、ベトナム人の習慣になっている。
こうした状況は、経済状況の不安定さ、
VNDの切り下げ、不動産、証券等の投資ルートが停滞などにより、
起こっていると考えられる。

多くのベトナム人が金とUSDこそ、安定した財産と考えている。
しかしこの考え方は、ベトナム経済に悪影響を及ぼしかねない。

安全だが、回転しない

先日、Le Xuan Nghia-国家財政監査委員会委員長は、
経済全体のUSDの導入額と出資額の差が非常に大きく、
約50億USDが市場から消えてしまっていることに言及し、
この資金は市場に流れず、預金や投資資金にもなっていない、
と、強い警戒感を示した。

こうしたことは、他国でも大問題と考えられるが、
ベトナムではこうした事実は、
国民や政府管理機関にとって驚くことではない。

人々は自分の財政状況の安定を図りお金を確保する。
まず、自由市場でUSDを大量購入するため、
USDが急上昇している状況にある。

まだ、正式に発表されていないが、
金・銀販売会社と専門家によると、
現在、人々が保管している金は700~800トンあると見られている。
これは大きな財政力で、
個人に保管されていることで、
統計や管理が出来ない状況となっている。

ベトナムは大きなUSDの自由市場があり、
積極的に活動しているのだが、
政府管理機関としては、自由市場の規模は小さなものであり、
心理や投機要素で、異常に変動するもの、と考えている。

実際、自由市場の変動は、
外国通貨調達が困難な状況を最初に表した場所でもある。
また、自由市場の動向は管理政策の変更にも反映する。

金(確保用の金)の取引活動の流行

ある時ベトナムは金を輸出したが、
最近、非常に大量の金を輸入している。
1年間で50~60トンの金を輸入する年もあったほどだ。
現在の価格で計算すると、
毎年ベトナムは金を輸入するため、
数十億USDの支払いが発生しており、
為替レートと金融政策に大きな圧力をかけることとなっている。

世界銀行の専門家によると、
ベトナム人は以前から金を貴重な財産として保管する傾向がある。
この考え方は金の価格の変動にも大きな影響を与えた。
原因は国民と企業が、ベトナムドンとUSDの為替レートに対し
大きな不安を抱えているためである。

USDを確保している人も多い。
USD確保が財産を守るための、安全な方法と考えられているのだ。
ベトナム人は市場に流し利益を得ることではなく、
財産の確保を最重要と考えている。
これが続けば、成長を破壊することにもなりかねない。

金庫からの暗号

まず、数十億USDが各家庭で保管されていることで、
大きな資金源が動かずに固まってしまっている。
また、この資金が投資されても、
不動産、証券等のルートに投入されるため、
市場に不安定させるだけとなる。
これは大きな浪費だ。

中央経済研究所の専門家によると、
ベトナムの貿易赤字は約50億USDに上るが、
各家庭で保管されている資金が出資された場合、
外貨不足の状況は大いに改善が期待できる。
基本的にベトナムでは、USDが不足しない。
また毎年、ベトナムは投資開発のため、
外国から資金を借りているが、
数十億のUSDと金が、国民のポケットの中で保管されているのだ。
また、金を輸入するために、
毎年、ベトナムが数十億のUSDを流出しているのである。

ただ、上記は流行されない資金源の、一部の統計である。
これらの財政力は統計されておらず、
管理されていないので、経済社会に不安定をさせることに繋がる。

自由市場ではUSDが高く上昇する時、
USDに対するニーズが急増するため、
国家銀行はUSD不足の改善のため、
市場にUSDを供給するか為替レートの調整を行った。
ただ、そうすると、USD予備資金が減り、
管理政策の実施が不安定になる。

逆に、金が高くなると、
国民が大量の金を購入するため、
国家銀行が金の輸入を制限しなくてはならなくなる。
金を大量に輸入するため、
企業もUSDを購入しなくてはならないため、
為替レートが変動することになる。

実は、こうした状況は、金融管理機関にとって大きな圧迫だが
回復方法はない。

最近の金価格の変動は世界での金上昇の影響の他、
ベトナム人が清算手段として金を保管する習慣からの影響もある。

最近、金が急上昇している原因は、投機とVND安である。
国民は、金を安全な財源として大量に購入している。
金に対するニーズが高まる時、
投機者が市場に干渉するため、金の価格は更に上昇することになる。

また、金輸入が中止されたため、
国内で金が不足になり、投機者は更に市場干渉をもくろむようになる。
投機者はUSDを売り金を購入するため、
VNDの引き下げ圧力もさらに高まることとなる。

金が高く上昇すると、預金金利の魅力がなくなり、
皆がVNDに代わって、金とUSDを確保するようになる。

また、金が上昇すると、
インフレ上昇の圧力が高まり、不動産と物価が高くなる。

一方で利益を最大化するために、投資を行う考えもないわけではない。

その時、大量の資金が変換され、市場に入れられることから、
管理機関は直ぐにコントロールできず、経済は不安定になる。
そのため、金融政策の実施は非常に困難となり、効果も期待できない。
行政的な対策もあまり効果が出ていない。



Sanotc.com  2010年11月3日

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