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2010年11月05日

為替レート年末まで調整なし


昨日、国家財政監査委員会は、
ベトナム政府は年末まで為替レートを維持、
生産業支援のため外貨を放出し、
市場の動向に合わせた、
柔軟な金利制度を実施していくことを明らかにした。


Vneconomy.net 2010年11月5日
為替レート年末まで調整なし
昨日、国家財政監査委員会は、
ベトナム政府は年末まで為替レートを維持、
生産業支援のため外貨を放出し、
市場の動向に合わせた、
柔軟な金利制度を実施していくことを明らかにした。

Le Duc Thuy前国家銀行総裁/国家財政監査委員会委員長によると、
2010年11月3日夜、首相と政府事務委員会は
現在のマクロ経済についての緊急会議を行い、
今後の経済を安定させていくための対策を検討した。

政府事務委員会の委任を受け、国家財政監査委員会は
すぐに実施できる政府対策を発表した。

国家予算の収支について、
2009年の支出超過額は約90億USD、
2010年は約40億USDと、前年をかなり下回ることとなりそうだ。
2011年には国家収支が+5億~10億USDとなる可能性もあり、
導入資金の増加が見込まれている。

世界的には、今後USDは他の通貨に比べ、
20%下落する、との予測もあるが、
ベトナムではUSDが急上昇しており、
VNDの急落傾向が強まっている。

金と外貨の価格変動は非常に複雑で、
一時期、USD/VNDの為替レートが
1USD20,920VND~21,070VNDになる時期もあった。
物価も上昇傾向にあり、輸入製品以外の価格上昇も目立つ。
今年は、CPI管理にあたって困難の大きい年となりそうだ。

銀行は預金金利を10%以下に、
貸付金利を12%以下に減らすことを要請しているが、
インフレが政府の目標値を上回り、
8%以上に達するものと見込まれている。

また現在、大きな問題となっているのは、
国民のVND預金総額が、この半月で約45兆VND減少していることだ。
つまり、口座からVNDを引き出し、
USDと金を購入する傾向が強まっているのである。

年末まで為替レート調整なし

政府常務委員会は、年末まで為替レートを調整しないことを決定した。
今、為替レートを調整すれば、
ベトナム経済がより不安定になるとの見方が強まったからだ。
長期的に見れば、国家銀行の不合理な規定は排除していかなくてはならないし、
市場に合わせた規定を発行していかなくてはならないだろう。

国民各自が確保している金は相当量にのぼると見られている。
約1,000トン(450億USD相当)はあると思われるが、統計は取れていない。
これは金融政策を実施するにあたって、
資金源としては不安定であるため、
有効な活用方法の提案を行う必要がある。

また、政府は食糧・食品、肥料等日用品の生産業を支援するため、
大量のUSDを出すことに合意したが、
その一報で、輸出活動を支援する予定は、ないという。
Thuy氏は「こうした外貨ニーズが高まる時は、
政府の検討を待たずに、銀行が直ぐ対応するべきである。
でなければ、企業の困難はより一層深刻化することになる。」と述べた。

9月、国家銀行は予備資金として、3億USDを購入したが、
市場の安定を図るため、10月には2億USDを放出している。
Thuy氏は、こうした国家銀行の介入具合がまだ弱い、と指摘する。
ベトナムが確保している外貨準備資金は、
最高の230億USDからは減少したものの、
市場を安定させるためには、まだ充分な力を持っている。

市場に合わせた金利変動を

たとえば、預金金利を11%以下に抑え、
オープン・マーケットにより、VNDの金利を調整する。
現在は、公定歩合が相対取引金利に対し、
さほど影響を与えなくなっている。
USDの預金金利を抑えるための対策を実施する。
USD金利が高くなれば、USD高がさらに厳しくなり、
インフレ上昇をさらに助長することになる。

財政監査委員会によると、
市場に外貨を入れる対策の他、
金利を押さえこまない、
金利が市場に合わせて変動することを優先させる。
などの対応策が必要とのこと。
そのため、市場に合った金利が適用されれば、
VNDの調達状況も改善され、
預金金利が年12~13%、貸付金利が15~17%に引き上がっても、
現状には適切ではないだろうか。



Vneconomy.net 2010年11月5日

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