GDP算出のまやかし 越所得は減少傾向?
今まで、ベトナム経済専門家は
経済成長=GDP成長であると評価してきた。
しかし、これは正しくない部分もある。
ベトナムのGDP成長は、
国内で活動する全ての経済機関の付加価値に基づき計算される。
例えば、ベトナムの資源を採掘している
FDI企業の付加価値なども全てGDPの計算に含まれる。
しかし、その中の一部は他国の利益である。
サイゴンエコノミックスタイムズ 2010年11月17日
経済成長=GDP成長であると評価してきた。
しかし、これは正しくない部分もある。
ベトナムのGDP成長は、
国内で活動する全ての経済機関の付加価値に基づき計算される。
例えば、ベトナムの資源を採掘している
FDI企業の付加価値なども全てGDPの計算に含まれる。
しかし、その中の一部は他国の利益である。
統計総局はGDPのデータだけではなく、
国民総所得 (GNI - Gross National Income)も発表している。
しかし、GNIを利用することは少ない。
国民総所得 (GNI) = 国内総生産(GDP) + 所得 – 支出、で算出される。
GNIは国民の本当の所得を反映する。
国家資源は家庭の財産と同様である。
資産を活用するためには、他人を頼らなくてはならない。
その場合、資産の一部を他人に分けなくてはならないため、
家族には余った部分しか残らない。
同様に、国が得た資産は、国民総所得(GNI)に反映される。
現在、一人当たりのGDPがUSDで計算されるため、
本当の所得を反映できない。
VNDの下落スピードはUSDのそれより速いため、
USDで計算される一人当たりの所得は高くなってしまう。
統計資料によると、2009年に一人当たりの所得は、
2008年より1.14%増加した一方で、
GNIは1.2%減少した、ということもあるのだ。
2000年から2009年までの10年間の統計を見ると、
USD/VNDの為替レートの場合、
2009年のGDPは2000年より3.8倍増、年16%増となる。
為替レートを導入しない場合、
GDPは1.89倍、年7.35%増となる。
実際の価格で計算した場合、
2009年のGNIは2000年から3.6倍しか増加していないことになる。
為替レートの要素を除き、
GDPデプレ(GDP deflator) の要素のみで計算すると、
国民総所得は1.81倍、年6.8%増に留まることになる。
国民総所得と国内総生産の差がプラスの場合、
外国に支払う部分は国の所得より小さくなり、
マイナスの場合、支払いが国の所得より大きくなる。
この差(統計資料では外国からの純収入と呼ばれる)は、
2000年から現在まで、マイナスである。
2000年、ベトナムから外国への支払いは6.3兆VNDであった。
しかし2009年、91兆VNDにまで膨れ上がっている。
これは主に借金の金利と、FDI企業の利益である。
現在の為替レートで計算すると、
2009年、外国に支払う金額は、
2000年の14.4倍(GDPが3.9倍にも関わらず)にもなる。
また、外国への支払額は毎年約34%増加していく(GDP7.3%)。
為替レートの要素を抜いた場合、
上記の割合はそれぞれ、7.2倍と25%となる。
こうしたことから見ても、
GDP成長率が経済成長の実情を
正しく反映していないことは、明らかである。
また、2005~2009年までのGDP上昇率は50%以上であったが、
USDの上昇は約14%である。
そのため、今のようにUSDでGDPを計算しても、
国民の所得を正しく反映できないのだ。
国民総所得は、GDPと比べて徐々に小さくなってきている。
2000年にはGNI/GDPの割合は98.6%だったが、
2009年は94%になった。
2006年以降の現在までの節約率は、
GDPの36%から29%に落としている。
節約資金が投資のための基本資金源となる一方、
毎年、節約/投資総額は、2006年の87%から2009年の67%に減少している。
この4年間でこの割合は20%近くを減少した一方で、
投資額/GDPの割合は全く減らず、GDPの40%で維持されている。
我々はマクロ経済を安定させるために、
成長率を減らすと必要がある、とは言わない。
問題は何を安定させるかである。
国民総所得 (GNI - Gross National Income)も発表している。
しかし、GNIを利用することは少ない。
国民総所得 (GNI) = 国内総生産(GDP) + 所得 – 支出、で算出される。
GNIは国民の本当の所得を反映する。
国家資源は家庭の財産と同様である。
資産を活用するためには、他人を頼らなくてはならない。
その場合、資産の一部を他人に分けなくてはならないため、
家族には余った部分しか残らない。
同様に、国が得た資産は、国民総所得(GNI)に反映される。
現在、一人当たりのGDPがUSDで計算されるため、
本当の所得を反映できない。
VNDの下落スピードはUSDのそれより速いため、
USDで計算される一人当たりの所得は高くなってしまう。
統計資料によると、2009年に一人当たりの所得は、
2008年より1.14%増加した一方で、
GNIは1.2%減少した、ということもあるのだ。
2000年から2009年までの10年間の統計を見ると、
USD/VNDの為替レートの場合、
2009年のGDPは2000年より3.8倍増、年16%増となる。
為替レートを導入しない場合、
GDPは1.89倍、年7.35%増となる。
実際の価格で計算した場合、
2009年のGNIは2000年から3.6倍しか増加していないことになる。
為替レートの要素を除き、
GDPデプレ(GDP deflator) の要素のみで計算すると、
国民総所得は1.81倍、年6.8%増に留まることになる。
国民総所得と国内総生産の差がプラスの場合、
外国に支払う部分は国の所得より小さくなり、
マイナスの場合、支払いが国の所得より大きくなる。
この差(統計資料では外国からの純収入と呼ばれる)は、
2000年から現在まで、マイナスである。
2000年、ベトナムから外国への支払いは6.3兆VNDであった。
しかし2009年、91兆VNDにまで膨れ上がっている。
これは主に借金の金利と、FDI企業の利益である。
現在の為替レートで計算すると、
2009年、外国に支払う金額は、
2000年の14.4倍(GDPが3.9倍にも関わらず)にもなる。
また、外国への支払額は毎年約34%増加していく(GDP7.3%)。
為替レートの要素を抜いた場合、
上記の割合はそれぞれ、7.2倍と25%となる。
こうしたことから見ても、
GDP成長率が経済成長の実情を
正しく反映していないことは、明らかである。
また、2005~2009年までのGDP上昇率は50%以上であったが、
USDの上昇は約14%である。
そのため、今のようにUSDでGDPを計算しても、
国民の所得を正しく反映できないのだ。
国民総所得は、GDPと比べて徐々に小さくなってきている。
2000年にはGNI/GDPの割合は98.6%だったが、
2009年は94%になった。
2006年以降の現在までの節約率は、
GDPの36%から29%に落としている。
節約資金が投資のための基本資金源となる一方、
毎年、節約/投資総額は、2006年の87%から2009年の67%に減少している。
この4年間でこの割合は20%近くを減少した一方で、
投資額/GDPの割合は全く減らず、GDPの40%で維持されている。
我々はマクロ経済を安定させるために、
成長率を減らすと必要がある、とは言わない。
問題は何を安定させるかである。
サイゴンエコノミックスタイムズ 2010年11月17日