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2010年12月08日

今後ODAのコミットメント額 減少か?


12月7日の午後、対越CG会合の中で、
Ho Quang Minh計画投資省対外経済局長は
「多くのCGが、コミットメントの額を
まだ決定していないようだ」と述べた。


ベトナムの平均所得が上がれば、
CGは優遇借款が減少し、優遇なしの借款が増加傾向となる。

様々な視点

CGはそれぞれが独自の計算と観点を持ち、
ベトナムに対する開発支援の枠も異なっている。

CG会議の直前、アジア開発銀行(ADB)は
対越優遇借款1億3,500万USDを決定した。
世銀も5,000万USDの優遇ローンを決定している。
12月6日、ヨーロッパ投資銀行(EIB)は
ベトナム政府と1億5,000万EURの
優遇ローン協定を締結した。

上記借款は、CG会合に関わらず、相次いで決定された。
それはベトナムに対するCGの視点が
以前と変わらないことを表している。

政府は今後5年間のODA支援について、
コミットメント額は320億~340億USD、
締結額は180億~220億USD、
実施額は150億~170億USDに達すると期待している。
これは果たして実際の状況に即した見方だろうか?

CG側にも懸念が出てきたため、
今後の動きは多少変わってくるものと思われる。

12月7日の会合において、
多くのCGは投資の効果、ローンが大きくなると、
ベトナムのマクロ経済が安定性を欠くことになる、
との懸念を示した。

IMFは、ベトナムはGDPの公的負債を減らすため、
国家予算の補填計画を実施するべきと考えている。
IMFは2011年中に、国家予算の超過支出を
GDPの5%以下に減らし、
2015年には同数値を約3%に減らすべき、としている。

英国国際開発省も、2006~2016年の10年開発協力合意書に関して、
中期評価を行っていることを明らかにしている。
ベトナムが低所得国となった要素も配慮する、と述べた。

John Hendra駐越国連コーディネーターは、
多くのCGが、ベトナムに対する支援規模の
減少計画がある、と知らせてきた。

ベトナム政府は、今後の資金調達と利用計画の中に、
優遇措置のないODA援助の項目を入れた。
この支援項目の中では、
年15億~20億USDを調達する目標を立てている。

借款規模の減少は吉か凶か?

John Hendra氏は、
最近、ベトナム国家の借金がGDPの56.7%に膨れ上がり、
上限とされる50%を超えたことに言及した。
引き続き外国からの負債は、負債管理基準に基づき 行う必要があり、
政府の権限と責任に大きく左右されてくる。

また、開発ニーズが高いことが、
ベトナムにとって不利の状況であるといえる。
逆に見ると、高額資金を調達した場合の投資効果を、
厳しく検討される可能性もある。

各CG代表は、ベトナム政府が
マクロ経済の安定性とVNDに対する信用回復に対して、
力を入れるよう勧告した。
また、政府の公民協力の試行については高く評価した。

現在、CGのコミットメント額は徐々に大きくなっているが、
ベトナムはこうした支援を、充分に活用できていない状況である。

CG会合で発表された政府の報告によると、
今年のコミットメント額は80億USDに達した一方、
協定締結を通じて実施されたODA支援総額は、
約40.93億USDに留まり、
中でも借款が38.61億USD、
無償援助が2億3,200万USDであったという。

ベトナムが今後非常に努力しても、
2010年のODA実施額は約35億USDに達し
(借款が32億USD、無償援助が3億USD)、
実施額は5億5,850万USDにしかならない。

2009年のODA実施額 41.05億USDと比べると、
今年の実施額はより低くなる。
しかしその主な原因は、短期案件の数が減少したためともいえる。
長期計画の実施額について、
2010年は2009年より30%増加している
(29.41億USDと22.61億USD)。



サイゴンエコノミックスタイムズ  2010年12月8日

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