2011年為替レート問題 国家銀行の働きに期待
現在、自由市場でのUSD/VNDの為替レートは、
銀行の公式レートより約8%高い状態にある。
この状況は、4ヶ月に渡って続いており、
それにより様々な影響が出ている。
Sanotc.com 2011年1月10日
銀行の公式レートより約8%高い状態にある。
この状況は、4ヶ月に渡って続いており、
それにより様々な影響が出ている。
為替レートの変動とその原因
銀行内でUSD/VNDの為替レートが
1USD18,544VNDから19,532VNDに引き上がった2010年8月17日以降、
自由市場での為替レートは、
銀行レートを大幅に上回るようになっている。
2010年12月上旬、VND/USDの為替レートは、
一時期1USD22,000VND近くにまで上がったこともあったが、
この3週間で自由市場はやや安定し、
1USD21,000VNDで取引されるようになっているが、
これも銀行レートより8%近く高い。
為替レート急変の原因は、主に国民の心理状況にある。
VNDに対する信用が下がったため、
国民は競って外国通貨を買い、保管するようになっている。
その証拠に、ベトナム経済のUSD化が激化しており、
昨年のUSDの貸付成長率はVNDより大幅に増加した。
その他の原因には、
2010年の国家予算が、引き続き支出超過の状態であったこともある。
この支出超過額は約25億USDで、
年初予測の45億USDを下回る結果となった。
2010年の国家予算収支の重要項目については、
製品の輸入超過額が124億USD、
サービス系の輸入超過額が8.6億USD、
FDI実施額は約80億USD、
FII(国際市場で発行された10億USD国債を除く)が約10億USD、
在外ベトナム人の送金が約80億USD、
ODA実施額が約30億USDとなっている。
また昨年は、対越外国投資資金額がまだプラスであったため、
USDが大きく不足することは免れた。
VND対外貨 対EURだけ3.57%上昇
2010年年初以降、VNDは対USDで-5.5%、
1USD18,482VNDから19,500VNDに下がっている。
自由市場ではVND-8.37%、
1USD19,340VNDから21,000VNDにまでなっている。
2010年、USDは対JPYで-9,8%、対AUDでは-7~10%、
タイ、シンガポール、マレーシアの貨幣よりも下がっている。
現在、ベトナムが適用している為替相場制度の場合、
VND/外貨のレートは、VND/USDレートを通じて計算される。
そのため、VNDがUSDより下がった上に、
USDが他の外貨より下がると、
VNDは他の外貨より急速に下がることになってしまうのだ。
2010年年初以降、VNDはJPYより17%、
マレーシアのMYRより16%、
タイのTHBより15.8%、
中国のCNYより8.76%、それぞれ下がっている。
ただ、EURがUSDより9.4%下がったため、
VNDはEURより3.57%上がる結果となった。
国家銀行の役割
VNDが他の貨幣より急速に下がったため、
国内輸出製品の競争力は高まっているが、
ベトナムの債務、特にJPY債務はさらに重さを増している。
また、VNDがUSDより下がった一方で、
他のアジア諸国では貨幣がUSDより上がったことから、
ベトナム経済の不安定さが浮き彫りとなっている。
現在、自由市場での為替レートは銀行レートより約8%高く、
この状況が4ヶ月続いているため、
ベトナム経済にも大きな影響を及ぼしている。
銀行と国民は、法律の穴を利用して両替を行っている。
実際、外貨購入を希望する企業や国民は殆どが、
自由市場の為替レートで仕入れている。
そのため、銀行の為替レートを低く維持しても
国民や企業に利益を還元できない。
逆に、経済全体のリスクと取引手数料を増やすだけだと思われる。
2010年2月11日、国家銀行はUSD/VNDの為替レートを
1USD17,984VNDから18,544VNDに引き上げ、
取引上限を1USD19,100VNDに引き上げた(4%↑)。
市場はこの国家銀行の動きに、積極的に反応した。
VND安は証券市場にとって投資家の心理に影響を及ぼすものだが、
長期的には経済全体と証券市場にとってよいことと言える。
現在、為替レートの鍵は、国家銀行の足元にある。
それが何時、行使されるかはまだ不明だ。
銀行内でUSD/VNDの為替レートが
1USD18,544VNDから19,532VNDに引き上がった2010年8月17日以降、
自由市場での為替レートは、
銀行レートを大幅に上回るようになっている。
2010年12月上旬、VND/USDの為替レートは、
一時期1USD22,000VND近くにまで上がったこともあったが、
この3週間で自由市場はやや安定し、
1USD21,000VNDで取引されるようになっているが、
これも銀行レートより8%近く高い。
為替レート急変の原因は、主に国民の心理状況にある。
VNDに対する信用が下がったため、
国民は競って外国通貨を買い、保管するようになっている。
その証拠に、ベトナム経済のUSD化が激化しており、
昨年のUSDの貸付成長率はVNDより大幅に増加した。
その他の原因には、
2010年の国家予算が、引き続き支出超過の状態であったこともある。
この支出超過額は約25億USDで、
年初予測の45億USDを下回る結果となった。
2010年の国家予算収支の重要項目については、
製品の輸入超過額が124億USD、
サービス系の輸入超過額が8.6億USD、
FDI実施額は約80億USD、
FII(国際市場で発行された10億USD国債を除く)が約10億USD、
在外ベトナム人の送金が約80億USD、
ODA実施額が約30億USDとなっている。
また昨年は、対越外国投資資金額がまだプラスであったため、
USDが大きく不足することは免れた。
VND対外貨 対EURだけ3.57%上昇
2010年年初以降、VNDは対USDで-5.5%、
1USD18,482VNDから19,500VNDに下がっている。
自由市場ではVND-8.37%、
1USD19,340VNDから21,000VNDにまでなっている。
2010年、USDは対JPYで-9,8%、対AUDでは-7~10%、
タイ、シンガポール、マレーシアの貨幣よりも下がっている。
現在、ベトナムが適用している為替相場制度の場合、
VND/外貨のレートは、VND/USDレートを通じて計算される。
そのため、VNDがUSDより下がった上に、
USDが他の外貨より下がると、
VNDは他の外貨より急速に下がることになってしまうのだ。
2010年年初以降、VNDはJPYより17%、
マレーシアのMYRより16%、
タイのTHBより15.8%、
中国のCNYより8.76%、それぞれ下がっている。
ただ、EURがUSDより9.4%下がったため、
VNDはEURより3.57%上がる結果となった。
国家銀行の役割
VNDが他の貨幣より急速に下がったため、
国内輸出製品の競争力は高まっているが、
ベトナムの債務、特にJPY債務はさらに重さを増している。
また、VNDがUSDより下がった一方で、
他のアジア諸国では貨幣がUSDより上がったことから、
ベトナム経済の不安定さが浮き彫りとなっている。
現在、自由市場での為替レートは銀行レートより約8%高く、
この状況が4ヶ月続いているため、
ベトナム経済にも大きな影響を及ぼしている。
銀行と国民は、法律の穴を利用して両替を行っている。
実際、外貨購入を希望する企業や国民は殆どが、
自由市場の為替レートで仕入れている。
そのため、銀行の為替レートを低く維持しても
国民や企業に利益を還元できない。
逆に、経済全体のリスクと取引手数料を増やすだけだと思われる。
2010年2月11日、国家銀行はUSD/VNDの為替レートを
1USD17,984VNDから18,544VNDに引き上げ、
取引上限を1USD19,100VNDに引き上げた(4%↑)。
市場はこの国家銀行の動きに、積極的に反応した。
VND安は証券市場にとって投資家の心理に影響を及ぼすものだが、
長期的には経済全体と証券市場にとってよいことと言える。
現在、為替レートの鍵は、国家銀行の足元にある。
それが何時、行使されるかはまだ不明だ。
Sanotc.com 2011年1月10日