ブルーチップ ベトナム投資ニュース

為替レートは1USドル19,500VNDで維持されているが、
ユーロ、円、ポンド、オーストラリア・ドル、シンガポール・ドル等、
他の外貨に対するVNDの為替レートは頻繁に変動している。
銀行のレートが1日で20～30回変更した時もあった。

USD以外の外国為替レートは常に変動するので、
企業や国民は簡単に銀行から購入できる。
また、国家銀行の規定によると、
パスポートと航空券を持っている人は、
最大7000USD相当の外貨を購入できる。
外貨はレートが掲載され、購入が容易で、
手数料を払う必要もない。

なぜ他の通貨は簡単に購入できるのだろうか。
それは、多くの人が高く購入しているからである。
例えば、2010年12月31日にオーストラリア・ドルのレートは
Vietcombank HCMが1ドル21,264VNDで掲載したが、
国際取引市場 では1オーストラリア・ドル当たり
1.02USDのレートで掲載された。
そうすると、USD/VNDの為替レートは1USドル20,847VNDだが、
同日のレートは1USD当たり1,347VND高くなる（6.9％相当）。
そのため、購入を希望する人に対しては、銀行が即対応する。

銀行は「我々の購入レートと売却レートの差はあまりない。
利益も少ししか出ない」と説明している。
2010年末、Vietcombankがオーストラリア・ドルを
1ドル20,880VNDで購入した。
オーストラリア・ドル/VNDの為替レートで計算すると
1USDが20,470VND相当で、
USDの購入レートより1000VND近く高い。
結果、銀行も外貨を高く購入している。

この為替レートの不当さは社会全体の現れで、
VNDの価値も、USDより高くなっている。
現在、USDとカナダ・ドルの価値はどこの国でも同じだが、
ベトナムでは違う。
銀行で1USDは19,500VNDで売れるが、
1カナダ・ドルは20,515VND。
そのため、ベトナムではUSDの価値が「弱く」なっている。

ただ、USDが安く計算されることで、様々な問題もある。
現在、外国に出張や旅行に行く人は、現金を多く持たず、
代わりにクレジットカードを作っておくことにしている。

通常、銀行でクレジットカードの口座開設をした場合、
カードの利用限度額は預金残高によって決められる。
例えば、口座に22000万VNDを預け入れた場合、
1万USDまで利用することができ、
外国滞在時は、同額までの支払いができる。

ベトナムでは、銀行がVNDと滞在現地の通貨との為替レートに基づき、
支払最高額を算出するが、この為替レートが頻繁に変動する。
VNDが他の外貨より上昇した場合は、カードでの支払いが有利になるため、
旅行者は購入前に為替レートを確認した方が良い。
カード利用者は、為替レートの変動による利益を得る場合もある。

また、アメリカに行く場合は、USDで取引するため、
他の通貨より取引が少し複雑になる。
1ドル19,500VNDのレートが「適用されない」。
銀行は紙上では国家銀行のレートで計算しているが、
加えて、他の手数料をプラスする。
これらの手数料は明示されないため、
カード利用者は損失を被ることがある。

USD/VNDの為替レートは、他の外貨/VNDの為替レートと同様、
適切に公開することはできないのだろうか。

2011年を迎え、消費者と事業者はUSDの二重の為替レートを
排除することを熱望しており、優先的に解決すべき問題であろう。