ブルーチップ ベトナム投資ニュース

先日起こった大規模な鉄道事故の後にも、
国内鉄道システムの時代遅れ具合と、老朽化の深刻さは、
多くの人を驚かせた。
開通から130年を数える鉄道システムのままで、
これ以上のスピードアップは可能なのだろうか?

鉄道インフラ開発への投資資金について、
鉄道分野の代表は、年次予算が需要の40％にも満たないため、
老朽化が深刻である、と訴える。
十分な整備がされないために、
そのせいで鉄道事故がごく頻繁に起こる状況となっている。

老朽化具合の調査によると、
列車のレールは主にP43 kg/12.5mの種類で、
荷重は低く、機関車のパワーも小さい。
列車の運搬速度と信号発信も遅い。
現在の通行車数は、他国の4分の３に留まっている。

輸送能力の低さから、年々客足は減少傾向にある。
また、労働人口が多い割りに、その能力は低い。
他国に比べ、ベトナムでは距離で換算した場合、
1キロメートル当たり18人の労働者を雇用している。
しかし、この人数はタイの3倍であり、日本の5倍である。
労働能力については、タイの5.3倍、日本の7.5倍、
効率が悪いという計算もある。

ベトナム鉄道分野の黄金期（ベトナムの血脈と言われた時代）
はとっくの昔に過ぎ去っている。
現在、鉄道、航空、道路、海運、河運の5種類の運輸手段の中、
鉄道の占める割合は、全体の5％に留まり、
国の資金投資や社会の期待には対応できない状況となっている。

ベトナム鉄道分野の発展が遅れる原因は様々だが、
投資資金の不足が主な要因を占めている。
そのため、2002年に認可された
決定No. 06/2002/QĐ-TTg
「既設鉄道の改善、各経済エリアへの鉄道整備」は、
まだまだ実行には移せない。

交通投資建設コンサルティング株式会社(TRICCC)は
「2020年までのベトナム鉄道開発戦略」を作成するため、
以下のような鉄道インフラ整備政策を立案した。
曰く、鉄道インフラ整備への国家投資予算を、
2020年までにGDPの1％、
2020年以降はGDPの0.8％とすること。
ODA等の外国支援資金を積極的に誘致し、
資金総額を年平均38億USDとする。

現在、ベトナム鉄道分野は深刻な資金不足に悩まされている。
大規模な投資が得られなければ、
他の交通手段や他国と比べても
時代遅れの状況が、そのまま維持される形となる。

Nguyen Huu Bangベトナム鉄道公社代表取締役は
「現在の鉄道システムの時代遅れは深刻で、
　列車のスピードを100～120Km/hに引き上げることさえ
　不可能な状況である。」