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2011年05月19日

USD 弱体化と言えど強い理由


多くの経済専門家が、
USDが今後国際市場で弱体化すると予測したが、
現在、各国の外貨準備資金の通貨や
国際清算手段として、USDの役割を交代できる通貨はまだない。


以下は、USDが国際貿易の中で独自の役割を維持できている理由である。

(1)アメリカは世界最大の消費市場である。
貿易関係の中でも、直接消費、間接消費合わせて、
世界でも大きな比重を占めている。
そのため、他国との取引する際、
アメリカ人がUSDを国際清算通貨として利用している。

(2) アメリカは経済大国であり、威信も強い。
USDは、世界最強の経済大国の信用性で確保されているため、
幅広く使われている。
世界でUSDが大量に売り出された場合でも、
アメリカは自国の経済力で完全に対応できるはずである。

以前、アジア経済危機が発生し際、
タイ通貨のBathが、投機者業界から大量に売り出され、
タイ政府が大変な窮地に立たされたことで、
他のアジア諸国にも、ドミノ反応を引き起こしたことがあった。
これらの国の通貨は、国内清算には使われているが、
USDの口座の取り扱いや通貨としての使用が自由化されている。

アメリカ以外の国と貿易する際、
多くの国が中間通貨としてUSDを利用している。
例えば、ベトナムと中国が貿易する際でも
USDが清算通貨として利用されている。

(3) アメリカは独立した中央銀行がある。
中央銀行は市場の変動に対応するため、
金融市場に対し、独自に対策を実施する権限がある。
中央銀行が独自に金融市場に干渉し、
通貨を発行する権限を持っている国では、
国会の認可を得る必要がある。

(4)アメリカ市場への干渉能力について。
アメリカは、世界各国に対し、軍事力と経済力で干渉することができる。
これは世界中で、アメリカしか持っていない特徴である。
アメリカの利益とアメリカ経済の利益に
影響を及ぼす事態が発生しても、アメリカは直ぐに解決できる。
アメリカは、他のどの国よりと比べても、
より速く簡潔に自国の問題を解決できる国である。

(5)長年、USDは外貨準備の通貨や国際清算手段として使われてきた。
この習慣を変えることは容易ではない、
多くの国の利益にも影響を与えることになる。

例えば、中国は大量のUSD準備資金を持っているが、
常にUSDの役割を減らそうと呼びかけている。
しかし現時点で、USDが下落した場合、
世界で最も損をする国は中国である。



Sanotc.com  2011年5月18日

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