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2011年07月15日

外国投資家に信頼度抜群のベトナム


近ごろ、インフレ上昇によるリスクの存在とともに、ベトナムの
マクロ的リスクに対して外国投資家が持つ評価の表れと言えるのは
ベトナム国債のCDS (Credit Default Swap) 指数が5月と6月の
連続的な上昇で投資家業界に懸念されていることである。


ベトナム、中国、フィリピン、エジプトのCDS
(2010年12月のベトナムCDS上昇はVinashinの案件が原因である。
また、2011年5月上旬から6月までのCSD上昇はインフレ上昇の
リスクとエジプト危機の影響が原因である)

他のアジア諸国やエジプトとベトナムのCDSを比較すると、エジプトの
債務危機がドミノ反応を起こし、世界全体のCDSに影響を与えている。
エジプトがEUとIMFの支援を受けるために年度予算削減を決定した後、
各国のCDSが一連に下がった。
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S&P rating: アジア地域の中ではベトナムのランクが一番低い。また、
エジプトのランクはCCCで危機的な状態である。S&Pではエジプトに
財務返済不可能な状態が近づいていると分析している。
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ベトナムの借金/GDPはエジプトと比較すればまだ低いが、アジア地域では
一番高い。また、中国や韓国は借金/GDPの比率が低いが、ratingは高い。
これはベトナムやフィリピンとは反対の状況である。
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ベトナムのインフレはフィリピンやタイと比べてかなり高く上昇するので
ベトナム国家銀行はシビアに財政政策と年度予算を実施せざるを得ない。
(ベトナム:赤、フィリピン:青、タイ:黒)
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ベトナムのCDSが他のアジア諸国より高く上昇する原因はベトナムに対する
信頼度が他の国より低いことに加えて借金/GDPが大きく、投資の利益率が
低いことである。

この4週間の国債発行状況
成功比率が高く、購入申請額と落札比率が大きく、落札金利が安定的である。
7月4日~8日6月27日~7月1日6月20日~6月24日6月13日~17日
期限
(年間)
売却額
(10億VND)
購入申請額
(10億VND)
落札額
(10億VND)
落札金利
(年間%)
売却額
(10億VND)
購入申請額
(10億VND)
落札額
(10億VND)
落札金利
(年間%)
売却額
(10億VND)
購入申請額
(10億VND)
落札額
(10億VND)
落札金利
(年間%)
売却額
(10億VND)
購入申請額
(10億VND)
落札額
(10億VND)
落札金利
(年間%)
2n/an/an/an/a2.5002.2840112,5002,8282,30812.42,0003,2051,90612.42
32,0003,6521,75212.22.5002.9802.10012.32,5004,9402,50012.32,0006,082,00012.3
52,0001,7501,45012.320002.0501.65012.32,0005,0052,00012.11,0004,9541,00012.3

また、最近になって国家銀行がOMOの金利を年間15%から14%に切り下げ、
OMOは市場に1兆VNDを供給した。市場への資金供給は銀行システム内での
余剰資金が上限であることを明確にした。
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証券市場にとって目の前のリスクとなるのは、物価高騰や台風シーズン到来、
8月中の値上げが決まっている電気料金である。


証券投資紙  2011年7月15日

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