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2011年10月31日

ベトナムEU間FTA 希望と課題


国内企業の実に97%が、
早期にEUとのFTAを締結すべきである、と考えている。


輸出拡大に期待大

ベトナム-EU間でFTAが締結されると、
輸出商品の約90%が免税され、
5億人を有するEU27カ国へ、
ベトナム商品の輸出が活性化されることになる。

EUは、現在もベトナムにとって大規模な輸出市場で、
現在、平均4.1%の関税がかかっている。
国際貿易政策コンサルティング委員会によると、
さまざまな税率制度が適用されているが、
EUは、ベトナムの主力製品に対して、
高い税率を適用している傾向にあるという。

例えば、繊維製品に対する税率は11.7%、
水産物で10.8%、靴類で12.4%となっている。
この税率は、EU市場におけるベトナム商品の競争力に
大きな影響を与えている。
EUとのFTAが締結されれば、該当分野にとって
大きな飛躍となるだろう。

具体的な試算としては、
ベトナムからの輸出量は、年平均4%増加、
中でも税率の高かった商品の輸出量は年6%増加となり、
その他の分野でも平均3%増が見込まれる。
靴類はFTA締結の後、年7~21%の増加が予測されている。
また、繊維製品も年平均20%増加の可能性がある。

ただ農業分野では、FTA締結後も、
EU引き続き高い税率を維持する構えとなっている。
これは、競争力の高いベトナム農産物輸出にとって、大きな難関である。
ただ、多くの専門家によると、
ベトナムには熱帯農産物としての強みがあり、
EUは国内生産できないため、税率が減れば、
輸出量拡大のチャンスはある、とのこと。

懸念材料も多々

大半のベトナム企業がEUとのFTA締結を歓迎しているものの、
実際その恩恵にあずかれるのは、
繊維分野、靴加工分野、農産加工分野だけに留まる。
ベトナム製品は現地市場では競争力がまだ弱く、
企業としての競争力もまだ不十分であるため、
FTA締結後、EUからは工業製品やサービス業の輸入が
増加する可能性が高い。

中でも、サービス分野が一番大きな圧力を受けることになりそうだ。
これはEUの強みである。
ただ、WTO加盟の制約内容の中で、ベトナムは、
155の分野中110分野を大きく開放すると約束している。
その中には、財政サービス、販売、職業案内サービス等も含まれている。

FTA交渉は、国家の利益に基づいて行われるべきである。
その中でも、農民と労働者の利益に配慮する必要がある。
また、ベトナムとEUの技術力の差や、
経済発展のスピード等も検討するべき課題である。



サイゴンエコノミックスタイムズ  2011年10月31日

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