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2012年03月05日

ベトナム小売形態の変化


海外企業の持ち込んだスーパーマーケットやショッピングセンターという
新たな小売形態に、ベトナム人も徐々に順応してきている。


ベトナムがWTOに加盟した頃、従来の国内小売ルートは、
海外の小売企業が持ち込んだ新たな小売ルートによって、
完全に淘汰されるのでは、という恐れがあった。
理由は、国内の開発する期間が短すぎる、ということである。
多くの経済専門家も 外国小売会社が強い財政力や、先進技術、
幅広いネットワークを武器に、
ベトナム市場を完全に掌握するのでは、との懸念を示していた。

実際には、ベトナムのWTO加盟から5年を経て、
国内小売業界は、徐々に状況に適応し、競争力を高めつつある。

これまでの統計データが、ベトナム小売業界の発展を証明している。
GDPが経済発展の規模と共に段々大きくなると同時に、
卸売りと小売もGDPへの貢献が大きくなっていき、
ベトナムの各経済分野への貢献の比率も拡大している。
(2005年:13.32%、2010年:14.43%)

卸売りと小売業界に従事する労働者の数も、
農林水産業と工業分野に次いで第3位という多さである。
これは、全国の労働者4,900万人の内、550万人がそれにあたる。
言い方を変えれば、労働者の9人に1人が、
卸売り・小売業界で働いていることになる。

ベトナムの小売・サービス業の売上総額は、
小売による売上が79%以上と、常に圧倒的な割合を占めている。
宿泊サービス、飲食サービス業の売上は11%、
旅行サービス業は10%に留まる(2010年の統計)。

ベトナムでは、 海外企業が持ち込んだ、現代的な小売形態が、
引き続き急成長を遂げている。
すなわち、スーパーやショッピングセンターといった小売形態だ。
現在ベトナム全国に、スーパーマーケットは640か所、
ショッピングセンターは100か所ある。
従来の小売ルートも競争が激化する中で模索を続けている。

世界的に見れば発展の余地は大きく

2011年~2020年のベトナム商業開発計画では、
商品販売と消費サービスの売上の成長目標を、
2011年に平均19%~20%、
2016年~2020年までには平均20%~21%達成、としている。

世界の経済先進国では、人口10万人あたり1件の
大規模のショッピングセンターがある。
また、1万人当たりに1件のスーパーマーケットがあり、
1,000人に1~3店舗のコンビニエンスストアがある。
ベトナムは、こうした状況にはまだほど遠い。

ベトナムの小売業界開発の原動力は、若年層、
特にインターネット、テレビの影響が大きく受けるような、
現代的生活習慣の人、ハイテク商品を好む人などが、
担っていくはずである。

その他、都市化などがコンビニに対する需要を高めることになるだろう。
インターネット、社会的ネットワーク、
携帯電話なども、ベトナムの小売業界の発展にチャンスを作るのではないだろうか。

現在、消費者は、価格の適切性だけではなく、
製品の新鮮さ、安全性、サービスの質等にも関心を示すようになってきている。

ベトナム小売分野開発にとって、
大きな課題は、いかにスムーズに
従来の小売方法(規模、概念、システム、習慣)から
より効果の良い新たな小売形態に変更していくことである。



CafeF.vn  2012年3月5日

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