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2012年03月19日

問題だらけ 未熟な個人情報の取扱い


ヨーロッパではFacebook、Google等の大企業の活動が
厳しく管理されているが、
ベトナムでは個人情報が簡単にピックアップできる。


なぜFacebookは誕生後わずか8年でIPOを実行し、
直ぐ300億USDを調達できたのか?
答えは、毎日Facebookにアクセスする数百万人の個人情報にある。
ヨーロッパではFacebook、Google等の「巨人」に対応するため、
インターネット環境における、個人情報保護の規定を適用したが、
ベトナムにはそういった規定はなく、
各々が簡単に個人情報をネット上に提供している状況だ。

技術が台風の様に発展し、
数十年前の各国情報機関CIA、KGB、MI6 、Mossad等が
夢に描いた世界を、IT企業が実現させている。
彼らは、全世界数十億人の個人情報を把握している。
Facebookだけでも5億人の膨大なデータを保存し、
数万台のサーバーを持っている。
毎月8億人以上がFacebookを検索し、
数十億枚の写真と記事が掲載されている。
FacebookのIPOで、大きな利益を得た要素は、
各サーバーに保存されている1億Byteの画像とビデオにもある。

ヨーロッパはいち早く、個人情報こそ、
アメリカのIT企業に大きな利益を与える財産である、という認識を持った。
大国中国も、直ぐにGoogle、Facebook等のサイトに対し、
厳しい監査政策を適用し、一時活動が禁止されることもあった。

ベトナムのインターケット使用者は数百万人であるが、
Google、Yahoo、Facebook等の巨大サイトが、
あらゆる個人情報(名前、性別、Email、写真、政治的価値観、
交友関係、その他の機密情報等)を保有している会社であるとは、
認識していない。
多くの人が、入力後でも削除可能な情報であると思っているが、
これらのデータは、永遠に各企業のサーバーに保存される。
さらに、これらの情報は、市場調査、消費者の習慣等、
営業目的でも利用され、ほかにも予測できない目的で利用されることもある。

ベトナム人はシャンプーのサンプルが欲しいから、
といった簡単な理由で、自分の個人情報を提供することがある。
法律面で個人情報の利用に関する規定もまだなく、
国民が各自で判断している状態だ。
最近、政府関係機関が個人情報売買に関するいくつかの事件を
処理することができたが、
これらのサイトは、個人情報を公に売買した案件であった。
実際、公務員、オフィススタッフ等の大都市で生活する人の多くが、
個人情報を流出させている。
携帯電話は毎日新商品紹介のメッセージや、
保険会社のPRメッセージ等を大量に受信している。

顧客情報の機密保持ということが、ベトナム企業では重視されていない。
顧客の個人情報に関することで、賠償になったこともない。
例えば、ある銀行へ預金すると、その後で
その銀行の職員が顧客の携帯に電話をかけ、
Visaカードの作成等の営業を行うことがある。
また、ある人が証券取引口座を開設後、
Emailアドレスには不動産関連の情報が、
仲介業者から目一杯送られることも当たり前のように横行している。
幾人かはそういった情報流出について、銀行や証券会社を訴えたが、
企業が賠償を受けるまで続けられた件はない。

また、上記の場合に対する政府関係機関の処理は、
個人情報を公に売買する案件だけに適用される。
各人の個人情報の機密保持に関する各企業への処罰は、
まだ規定が作られていない。
この間にも、インターネットで売買された
顧客情報や個人情報の流出は続いている。

個人情報は新しい資源であり、
先進技術をどんどん開発しているアメリカ企業は、
新しい技術製品を作ることより、
この「資源」を中心に投資開発している。

遅きに失するとはいえ、たった今からでも、
ベトナム人は個人情報が、大事な資産であるとして
理解することが重要である。
数百万人のベトナム人がインターネットと共に生活していくなかで、
多くの人が、自分の個人情報をネット上に公開している。
Facebook、Google等の巨大ウェブサイトは、
それを利用する数百万人のベトナム人の個人情報を利用し、
消費者の習慣や、政治的価値観を把握している。
ベトナムは、国としてその資産をどのように取り扱い、利用するか。
一刻も早く指針を示されることが、望まれる。



CafeF.vn  2012年3月19日

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