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2012年05月03日

HSBCがベトナムの需要減少を明言


HSBCは年初4ヶ月のマクロ経済状況に基づいて
ベトナム市場の発展に関する報告書を作成し、
需要の減少で経済が期待したほど成長しないと分析した。


この10年、ベトナム経済は他のアジア諸国と同じく資金貸付で支えられ
成長率が年間平均7%に達した。

資金貸付が経済成長の要因になると、インフレを上昇させる。
HSBCの研究チームによると、急激な成長とインフレの上昇を避けるには
経済構造の改善が必要であり、それによって投資効果を高めるとともに
労働力を上げることができる。

人口と収入の増加に伴う需要の増加はベトナムにとって非常に重要だ。
この方向性で改善を実施しないと危険な状態になる。
インフレ上昇の圧力が高まる中で弱小化した企業を救うために
資金貸付を拡大しなくてはいけない。

昨年、ベトナム政府がインフレを抑制するための財政政策を実施した結果
資金貸付の成長率は27.7%から10.9%に下がった。
国家銀行は翌年の初めに金利を下げる目的で政策を実施した。
年初から3月末までの資金貸付総額は1.9%に減ったため、
内需は期待を超えなかった。

需要が減ると①インフレが減少し、②輸入の需要も大幅に減る。
このため、貿易収支がバランスを保ってVNDが安定する。
輸出もVND安と外国の需要が減った影響で減少する。

全体的に輸入額の減少で純輸出額は増えるが、内需の増加は見込めない。
今年、HSBCは経済成長率を5.7%から5.1%に下げた。

政府はインフレ抑制のための内需減少に成功したが、経済成長率は
2012年第1四半期で4.1%に減り、2009年3月以来で最も低くなった。
GDPは10年間で最大の減少となった。

経済成長のペースダウンは資金貸付の状況を反映している。
各企業、生産業の不況で貸付額が2011年より減ったのは当然である。
不動産と建設の成長は特に減少した。他の業界も資金困難の影響で
思うような経営ができておらず、資金の利用経費が高過ぎるため
運営をストップした企業は数千社に上るという。

また、輸出額と輸入額の差が大きいことも内需減少に拍車をかけた。
輸出額は年初から現時点で前年同期より22.1%増えているが、
輸入額は4.4%しか伸びていない。

輸出額には前年比で17.7%の成長が期待されている。
中国での生産が回復し、アメリカ経済が予想を上回る成長を見せたため、
今後は外国企業からの輸入増加が見込まれている。

だが、供給源については高い金利の影響で多くの企業が借金できず
生産性が影響を受けるはずだ。また、輸出活動の競争力がVNDの安定で
多少弱まる。輸出額は増加するが、成長率が昨年より低くなる。

ベトナムの輸出商品は日用品ではなく主に生産用の資材である
肥料、綿、布、革、鉄、車、バイク、ガソリン、オイル等の輸入額は
この数ヶ月で大幅に減った。

輸入額の減少は内需や生産環境に影響を及ぼした。
HSBCは貿易赤字が2011年の98億USDから2012年の46億USDに
減ることを期待している。

小売業界も活発ではなく、この数ヶ月で成長率がマイナスになった。
低需要で個人の消費成長率が4.3%に達しないと予測された。

経済成長率とインフレ上昇率が減ったため、今後は国家銀行が財政政策を
緩和すると期待されている。次回の金利下げ時期は、
2012年第3四半期の初めになると予測されている。

HSBCは「財政政策が緩和され、経済成長率が伸びていく場合は2012年に
ベトナム経済成長率が5.1%を達すると信じる」と評価した。

サイゴンエコノミックスタイムズ  2012年5月3日

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