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2012年06月14日

FDIはベトナムから撤退しつつあるか


ベトナムを撤退して他の東南アジアに参入の
計画を持つ外国投資家が少なくない。


年初5ヶ月の新投資申請額は前年同期の
68.2%にあたる53億USDだった。

内訳では加工産業が33億USDで最も大きな比率を占め、
2番目は不動産(の5.7億USDだった。
近年は毎年FDI申請額が減っており、2010年は199億USD、
2011年が147億USDで、今年の年初5ヶ月に至っては
わすか53億USDにとどまっている。

A.T. KearneyコンサルティングもFDIの厳しい現状を告知した。
2012年の投資環境に関する外国投資家の信用格付けで
ベトナムは他の国よりランクを落としており、2007年の12位から
14位に下がったが、インドネシアは21位から9位に上がった。

A.T. Kearneyは「経済情勢は好転して政治も安定しているが、
外国投資家はインフレ上昇、VND安、公的財政問題について
懸念を抱いている」と述べた。

さらに先頃、駐ベトナムヨーロッパ商工所 (EuroCham)も
ヨーロッパ投資家業界のベトナムに関する信用指数の厳重下げに
関する報告書を発表し、2011年第1四半期の79ポイントから
2012年第2四半期で53ポイントに下がったことを明らかにした。

EuroChamによると、営業登録の手続き、資産所有権の登録、
税金の納入、借金、インフラ整備、管理の負担、人材不足、
汚職等の問題が山積している。
ベトナムに参入するFDIは最近になって大幅に減ったが、
他の国に対するFDIは急速な成長を示している。
今年の第1四半期ではインドネシアへのFDIが30.37%に増加し、
57億USDを達成しており、タイでも年初4ヶ月で44%に増えた。
昨年はカンボジアのFDIが14%増え、バングラデシュは5%の増加。
また、ミャンマーは政治・経済改革の実施で外国投資家にとっては
「期待の新星」のような存在だ。

このような数字データはベトナムの魅力を大幅に減らしている。
今や低賃金、生産経費の低さはベトナムの強みではなくなった。
インドネシアは経済が急速に発展し、市場規模が大きく資源が豊富だ。
タイには安定した法律の仕組みがあり、経済の動向を予測できるため、
隣国と比較して競争に強い。

今は外国投資家が国際経済の回復が遅いことを懸念しているため、
政府が今年の目標としている150億~160億USDのFDI調達は難しい。
ベトナムは外国投資家の評価でまだ魅力的な投資先となっているが、
その魅力は徐々に減少しているようだ。

しかしながらFDI関係セクターの営業活動は安定している。
統計総局の統計によると、年初5ヶ月で国営経済セクターの輸出入額は
全体的に減っているが、外国投資関係のセクターは成長スピードを
キープしている。言い方を変えればFDIが今のベトナムにとっては
生命線となっているため、FDIセクターの動きがマクロ経済に直接的な
影響を与えるということになる。

CafeF.vn 2012年6月14日

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