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2012年07月02日

ベトナムEU間のFTA その未来予想図は?


ベトナム-EU間の自由貿易協定(FTA)の施行が、
今年秋に迫ってきている。
今後、ベトナムに対しては、90種類の商品に対する税金が
7年に渡って免除されることになる。


6月29日の記者会見で、
大使・EU連盟派遣団団長Franz Jessen氏は、
ベトナムEU間での協力協定(PCA)が、
6月27日に正式に締結したことを発表した。
このPCAは、1995年に締結されたベトナム・EU協定の代わりである。
この動きは、同国間の貿易協力の関係発展を表している。

PCAに関連するのは、両国間の安全、海賊防止、人権対話などである。
PCAは主に政治色の濃い協定なのだが、
FTAは、両国の経済関係に直接に関わる重大事である。

FTA交渉について、Jessen氏は、準備が既に行われていると話している。
両者は、税関、知的所有権、貿易の自由化等の問題について協議し、
EUに輸出されるベトナム商品と、
ベトナムに輸出されるEU商品に対する通関手続きを簡易化するように、
話し合いを進めている。

FTA締結によるベトナム企業の利益について、
Jessen氏は以下のように強調している。

(1)第一に、ベトナム企業がEU市場に接する機会が増える。
 自由貿易エリアでは、90種類の製品に対して輸出入税が免除となる。
 これらの商品は、7年に渡って税率0%で輸出入することができる。

(2)ベトナムが輸入するEU商品が増加する。
 これは、ベトナムにとって試練ともいえるが、
 消費者にとっては、より良い価格と品質の商品を手にする
 機会を得ることになる。

(3)ベトナムへのEUのFDIの大幅増が見込める。
 PCA締結後、多くのEUの投資家が
 ベトナム市場に理解を示すようになり、
 ベトナム市場への進出計画を立てるようになってきた。
 FTA締結後は、EU企業のベトナム進出が一層増えることになるだろう。

(4)ベトナム経済が、国際基準に合わせて変化するための契機となる。
 例えば、知的財産や著作権等の法律的問題である。
 実際、「Phu Quoc」の調味料は、EUでの商標登録を申請している。
 FTA締結後は、さらに沢山のベトナム商品が商標登録されることになるだろう。

こうした動きは、ベトナムの貿易促進に有効な事態と言える。
今後は、EUだけではなく他の外国企業も、
ベトナム商品の魅力を認識することになるだろう。



サイゴンエコノミックスタイムズ  2012年7月2日

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