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2012年07月16日

国営企業の他業種投資 資金回収は難航


政府は、自社の主分野ではない分野に投資している国営企業に対して、
投資資金の回収を求めている。
しかし、国営企業側は政府指導を宣伝するものの、
実際の動きが伴わないことが多い。


国営企業への投資、財政管理に関する財務省の規定(案)には、
「不動産、財政、銀行、証券、保険の分野に投資している企業は、
 直ちに所有率を減らすための換金計画を作成し、実行に移す必要がある。
 これら分野への投資資金の換金は、2015年12月31日までに
 完成しなければならない」
と謳われている。
ただ、規定の具体的なガイドラインがないため、
どのように換金して、誰に売るか、
どの様な過程で実施していくかは、
企業側の独自の判断にゆだねられることになる。

6月上旬、ハノイ市で中央理論議会の主催により行われた
国営企業再構造会議のなかで、
各企業は、独自の換金計画を提出した。
その中で、他分野に最も大きく投資している
ベトナム石油グループ(PVN)(約7兆VND投資)は、
他分野への投資活動には効果がないという認識を示すとともに、
今後、各子会社に対して、
引続き投資を行うことを中止し、投資品目を主導的に売却する、
と回答した。

1年前、PVNはPVN名義の使用制限規定を発行し、
様々な方式で投資した案件を合法化してきた。

最初、このPVN名義の管理と使用はかなり細かく規定されたが、
これまで各経済グループの名義の使用に関する規定はなかったため、
規定の抑止力は、かなり怪しいものになっている。

また、ここで一番重要な問題は、
PVNが財政、銀行、保険分野への投資額のうち、
5.636兆VND(国営企業の21社の投資総額の52.6%)の
詳細換金計画を出していないということだ。
他方、不動産分野でもPVNが石油タワー建設会社(PVX)の追加発行に当たって
1.1兆VNDを出資している。
政府は、それ以前にPVNに対し、
不動産分野への投資を撤退するよう指示していたにも関わらず、だ。

ベトナム電力公社についても、
換金金額が、商工省の発表の数字と大きく違う。
2012年6月8日付の再構造書簡では、
EVNは、2015年までに他分野への投資資金の
1.102兆VNDを換金する必要があると書かれたが、
2011年末には商工省の書簡では、
銀行、保険、不動産分野へのEVNの投資資金の残金が
2.108兆VNDしかないと掲載していた。
この1兆VNDの差額はどこへ行ってしまったのか。

2012年6月の政府定期会議では、このように決定づけられている。
「2015年までに、各国営会社は主分野と異なる分野へ投資した資金を
換金すべきである。
この換金は、市場ルールにのっとり公開で行い、
国の資産の保全を最優先することが必要である。」

EVN は、An Binhバンクの保有率5.3%を、
HDBankに移す計画があったが、国家銀行に断られた。
理由は、各社が国家銀行の株式売買の規定に対応できていないためである。
現在までにEVNは、代わりの計画や、
この問題の解決方法をまだ提出できていない。

ベトナム工業・石炭・鉱山(TKV)も、
ベトナム投資ファンドに出資した480億VNDの換金に手間取っている。
また、政府監査委員会の結論によると、
Song Daグループはベトナム投資ファンドに1,440億VNDを出資しており、
1年前から換金することが決定していたが、
未だにそれができず、投資資金を失う可能性も出てきているという。

ゴム工業グループも、他分野に3.7兆VNDを投資しており、
その半分は不動産分野に対して行われたという。
政府指導に従えば換金する必要があるが、
VRGが不動産分野への投資を合法化するため、
再構造計画を提出しており、
その中で工業投資分野をVRGの主な活動として
補足するよう要請している。

実際には、ゴム栽培地から使用目的を変更された13の工業団地は、
うまく活用できているとは言い難い。
その中の3つは80%以上の貸出率となっているものの、
5つは20%、残りは活動を開始したばかりで
投資関係の手続きを準備しているところである。
また、ベトナム全国でも工業団地の稼働率は平均40%しかない、
数百の工業団地が投資中止になっていることを見ても、
上記VRGの提案が、適切でないことは明らかである。



サイゴンエコノミックスタイムズ  2012年7月16日

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