ブルーチップ ベトナム投資ニュース

8月2日付のANZ報告書には、
今後のベトナムGDP成長率について、
上がっていくとの予測を示したものの、
2012年の成長率目標5.5％が達成できるかについては、懸念を示した。

国際経済が停滞しており、
国内の資金貸付の拡大スピードも予測を下回っているため、
今年のGDP成長率は予測より低くなる見込みとなっている。
こうした事態は、ベトナムにとっても重要な
工業生産と経済活動に直接に影響を及ぼしている。

今年7月までに工業生産能力は、前年同期比6.1％増、
6月の成長率は8％を下回った。
7月の小売売上は前年同期比22.2％増だったが、
6月の23.2％は下回った。

ベトナムの大口輸出先の需要減少が、
ベトナム輸出額の成長率に表れている。
統計によると、7月の輸出額の成長率は大幅に減少し、
前年同期の3％増加に留まった（6月が16.9％増）。

ベトナム国内でも需要減少は、
インフレ上昇率の連続下落に表れた。
7月のインフレ上昇率は5.4％、
6月は6.9％であった。
ANZは、インフレは第3～第4四半期にも引き続き下がり、
年末に6～7％を達すると予測している。

ANZはまだ具体的に分析しないが、
ベトナムの資金貸付成長スピードの遅さは、
最近のHSBCの報告書に掲載されていた懸念と同様である。
同報告書でHSBCは、
「資金貸付成長率が年初から1％以下に留まっていることは、
　国内需要減少の問題も反映している。
　それは経済構造の弱み、外的影響の結果である。」と記している。

ANZは、現在の国内政策について、
2012年～2013年経済成長・インフレ抑制の計画の実施に向けて、
正しい方向で適用されている、と評価している。
先月の上旬、経済成長を引き上げるため、
ベトナム国家銀行はまた金利を1％下げた。
今年に入って5回目の引き下げだ。

2012年中は経済成長を支えるため、
政府は引き続き緩めの財政政策を実施すると予測されている。

先週末、JPMorgan Chaseは今年後半、ベトナム銀行の金利は、
引き続き最低2％下がると予測しており、
Standard Charteredも1％下がると予測した。