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2012年09月04日

独立から67年 ベトナム経済のこれまでとこれから


1945年9月2日、9月革命が成功し、
100年に及ぶフランス植民地時代が終了、
ベトナムは独立国となった。


その後、世界から見るベトナムの立ち位置も刻々と変化してきた。
まず世界地図では、フランス植民地としての
「インドシナAn Nam地域」名義からベトナム民主共和国となった。
さらにその後、ベトナム社会主義共和国に変更となった。

この67年、ベトナムは30回にわたる戦争を経て、
途中、南北が分断された時期もあった。
その後、戦後の回復期に入ると、
資金難、貿易禁止、旧ソ連や東ヨーロッパの社会主義国家の解体があり、
アジア地域の経済危機・金融危機の発生、
近年では国際的な経済危機と金融危機の影響も大きく受けたが、
大幅な経済成長を遂げてきた。

政治面では、ベトナムは完全に独立国家となり、
自分の命を自分で決められる権限を持てるようになった。
国連や東南アジア各国協会にも参加、
世界170ヶ国と外交関係を持ち、
貿易関係も200ヶ国、
WTOに加盟したほか、
現在、国連安保理の非常任理事国になっている。
ベトナムの立場は、アジアだけでなく世界的に見ても、
徐々に高まってきている。

1988年、当時の一人当たりのGDPは86USDで、世界最低であった。
その後、連続的に増加し、
2011年には1.375USDとなった。
ベトナムは「低」所得国から 「下位中」所得国になった。

2011年までベトナムのGDPは31年間連続の成長となった。
これは、中国の33年連続に次ぐ記録である。
1980~1997年、ベトナム経済の成長率は年0.4%であった。
人口増加スピードも低く、一人当たりの所得は急減した。
1977~1985年、GDP成長率は年平均3.7%であった。
1986~1990年には、同率は年平均4.4%の成長率となった。
1991~2011年、成長率は7.34%に達し、
世界的に見ても、急成長国家と評価されるまでになった。

2011年のベトナムの経済規模は、
1995年の約20.8倍にもなる。
また、1985年の5.5倍、1990年の4.4倍、2000年の2.1倍となる。

経済構造も大きな変化があった。
比GDPの農林水産業比率は、
40.2%(1985年)から22.02%(2011年)に減少した。
反対に工業・建設業比率は27.4%から40.97%に拡大し、
サービス業比率も32.4%から37.19%に増加した。

農業分野には、奇跡ともいえる変化がおきた。
米栽培では、生産能力があまりにも低く、
国内需要にさえ対応できなかった状況から、
大量輸出できるようにまでなったのだ。
ベトナムが現在、世界第2位の米輸出国となり、
国際食糧安全化にも貢献している。
それ以外にも今日では、コーヒー、ゴム、胡椒、水産物も
大量輸出が可能となっている。

独立前、ベトナムの工業生産の規模は非常に小さかった。
全国にある工場は200が上限で、労働者は9万人であった。
これはいずれも、資源を大量採掘して、
安価な労働者を利用する目的で行われていた。
製品数も非常に少なく、生産能力もまた低かった。
現在では、家内生産施設だけで420万の工場があり、
労働者は1,500万人以上に達している。
工業生産製品の種類に至っては、数え切れないほど多岐にわたっている。

小売や貿易規模もまた大きく変化した。
それまでベトナムの貿易規模は小さく分散されていた。
今日、国内には数千のスーパーマーケット、
ショッピングセンターが立ち並んでいる。
貿易先についても1986年には43ヶ国だったのが、
現在では200ヶ国にまで増えた。
貿易額も、2012年には1,000億USDを超える可能性が高い。
比GDP輸出入額は2011年に170%となった。
これは世界第5位の数字である。

また、1988年以降2012年7月までのFDI申請額は966億USDを超えた。
1993年から現在までのODA成約額は800億USD近くにのぼり、
実施額は350億USD以上となっている。

社会面では、人間開発指数(HDI)から3種の目覚しい成長が確認された。
(1)各年人口の増加
(2)各年増加への評価
(3)寿命と学問が、経済発展指数より高いことである。
2011年、社会関係他の指数も、独立前より数倍高くなっている。

2012年は、2011~2015年の5年開発計画と、
2011~2020年の10年開発計画の実施から2年目となる。
ベトナムの2020年の総括目標は、現代工業生産国となることである。

2011~2012年の2年、ベトナムはインフレ抑制をするとともに、
マクロ経済の安定化を図ってきた。
この先も成長を続ける為には、
3つの戦略的対策を実施することが必要であるといわれている。
(1)体制の充実化
(2)労働人材の質的強化、基礎構造の整備
(3)成長方式の変更、経済の再構成、がそれである。



Vneconomy.net  2012年9月3日

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