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2012年09月17日

真面目に生きちゃバカを見る?ベトナム税制度


政府側の税制度改善への努力が見られない中、
優良企業ほど二重課税に苦しみながら、
それでも生き残りをかけ、努力をおこなっている。


WTO加盟後、政府は一般企業の活動を支えるため行政手続を簡素化し、
税金を削減してきた。
しかし、この国では企業の負担が段々大きくなってきている。
先日発表された国会経済委員会の報告によると、
ベトナムのGDPに対する税金・手数料の占める割合は、
アジア諸他国と比べても1.4~3倍高いのだという。

小売企業が抱えた二重課税

ベトナムには、企業売上税、輸出入税、
付加価値税、特別消費税等の基本的な税金の他、
多くの税金が二重徴収される形となっている。
例えば、企業が基礎税を納税し、
労働者も個人所得税を納税する。
その後、配当金を現金支給してもらう場合、
再度所得税を支払う義務が発生する。
これが、典型的な二重課税だ。

こうした課税制度が、長年多岐にわたって存在し続けていることが、
企業にとって大きな負担になっている。
例えば、農産加工分野では材料の購入経費が、
製品単価の40~50%を占めているが、
それに付加価値税があることが、
企業にとっては大きな不満となっている。

Vinamit株式会社社長-Nguyen Lam Vienによると、
政府は、農作に対しては付加価値税を免除しているが、
企業が農家から購入する際、付加価値税の領収書がないために、
企業が販売する際には10%の付加価値税を支払うことになってしまう。
しかもこの税金は返還されない。
毎年、Vinamitが支払う付加価値税は約200億VNDに上っている。

こうした税の仕組みは、企業の損失を招くだけでなく、
小規模の小売業者との競争も発生させている。
家族経営などの小規模業者は、生産規模が小さく
直接市場に流通させるか、外国商人に売るため、
利益が薄くても売る。
しかし、大企業の場合10%の付加価値税のために、
商品単価が当然小企業の単価より10%高くなる。
消費者としては安く物を買いたいため、
法律を守る企業ほど多大な損失を被る仕組みになっている。

企業はこうした付加価値税の問題について、何度も改善を求めてきたが、
政府関係機関からの反応は一切ないとのこと。

こうした状況は、小売系企業だけでなく、
製紙会社でも同様になっているという。

環境保護税がもたらす企業圧迫

ベトナムでは、2012年から、環境保護税が施行されている。
この課税は、プラスチック生産会社にとって大問題になっている。
環境保護税の内容を見ると、ビニル袋1kgあたり4万VNDの課税とあり、
企業は毎月、数十億VNDを納税する義務があることになっている。
既に数社は、納税義務を果たせないとして、
生産活動を中止した。
ベトナムプラスチック協会はこれまでにも何度か、
政府関係機関に環境保護法に関する内容の改善を要請したという。

税制度見直しで縫製分野の危機

また、税金の返還も企業にとっては大きな負担である。
例えば、縫製分野の企業では、
以前は、原材料の布の輸時は輸入税を支払う必要はなかった。
ただ、輸入から製品輸出までの間が275日を超えた場合のみ、
輸入税が課せられていた。
ただ最近、財務省はこの制度の見直しを行った。

新制度では、企業が原料布を輸入時、輸入税を納め、
製品輸出時に、それらが返還されるという仕組みになった。
縫製企業はFOB方式で製品を輸出しているため、
資材輸入時に銀行から借入を起こして納税している。
こうした手続きが必要になったことで、
企業は、税金返還までに煩雑な手続きに追われる羽目になった。

この様な状況になってくると、繊維・縫製企業の中でも、
安全なのは利益の薄い加工作業だけということになる。
そうすれば、銀行借入れの金利負担や税金返還の申請といった
手続きからは解放される。
しかしその場合、
ベトナム繊維・縫製分野は、発展の機会を失うことになるだろう。



Vef.vn  2012年9月17日

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