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2012年09月24日

対中輸入超過額 止まらぬ増加の理由


今年8月までのベトナム全国の輸出超過額は1.34億USDであった。
しかしその中で中国からの輸入超過額が101.2億USDで、
前年同期比3%近い増加となっている。
この3年、対中輸入超過額は増加が続いており、
国内企業の競争力の弱みさを露呈する形となっている。


2000年、ベトナムの対中輸出超過額は1.3億USD、
1年後の輸入超過は2億USDとなった。

この金額自体は大きくないものの、
2001年以降現在まで連続して増加しており、
国全体の輸入額の割合も段々増加、
2002~2010年までの同金額は、実に8倍増となっている。

2011年、両国間の貿易総額は約360億USDに達した。
しかしその内訳は、対中輸入額が240億USD、
同輸出額が約120億USDであった。

8月までの対中輸入超過額は101.2億USDとなった。
内訳は、輸出額が約83.7億USD、輸入額が182.9億USD。
ただ、国内全体の貿易状況は、1.34億USDの輸出超過となっている。

中国はベトナムにとって最大の輸入元市場ではあるものの、
輸出先としては第5位の市場である。
こうした状況が続けば、国内企業が中国企業との競争に負ける恐れがある。

中央経済管理研究所(CIEM)-Vo Tri Thanh氏によると、
現在ベトナムの対米貿易は、輸出超過の状態にあるものの、
詳しく見ると、商品の一部は中国や日本から輸入されたものである、という。

Thanh氏は、「ベトナム企業の競争力はまだまだ弱い。
原因は、国内裾野産業の開発が遅れていることだ。
現在、中国からの輸入額100VNDうち、
資材費が55VND、30VND~35VNDが機材・設備、
10VNDが日用品、といった内訳になる。
国内の多くの企業が、中国からの輸入品の一部を使用し、
輸出製品を生産している。
さらに一方では、国内用の製品を販売している。」と述べた。

今、ベトナム企業に足りないのは、他国企業との競争力である。
技術研究活動を支援し、ハイテク産業への投資等の政策を実施して、
中小企業を支えること。
また、東アジアの生産ネットワークで活躍するFDI企業を誘致することなどが、
現状を打開する鍵となる。

また、近年の対中輸入超過額の増加について、
多くの経済専門家が、中国請負業者が案件を落札するケースの増加に言及している。
2007~2010年の間、中国企業は4.5億USD以上の規模の案件を落札している。

中国企業が落札した案件は、
主にエネルギー工業(ベトナムの発電所整備計画の90%)、
鉱山調査・採掘、石油、金属精製、化学、交通インフラ等
いずれも、国の重要案件である。

この2~3年、ベトナムの輸出額が順調に増加しており、
中国への輸出額の増加速度は、輸入額より速くなってきている。
しかし、ベトナム企業が中国側の販売ネットワークに深く参入できているとは、
言いがたい状況だ。



Vneconomy.net  2012年9月24日

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