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2012年10月08日

IMF 近視眼的緩和政策に警鐘


国際金融機構(IMF)駐在事務所所長-Sanjay Carla氏は、
ベトナム経済の将来は、
今、こうして経済が停滞する中で採用される政策に
大きく左右されることになる、と警告している。


氏は現在のベトナムについて、
経済の弱点がすべて露呈している、と述べている。
例えば、商業銀行のネットワーク、国営企業、公的投資等である。

氏は、「これらの弱みは、ベトナムを見つめる全ての人が分かっていることだ。
その中で一番重要な要素は、この問題を解決するための政策である。
政策によって今後のベトナム経済は大きく変わる。
問題は、ベトナムがどういった方針を持っているかだ。」と述べた。

Carla氏によると、新興国であるベトナムは、
20~30年の長期的政策を実施する必要があり、
ベトナム経済の回復は、
銀行ネットワークの状況に大きく依存する、と語る。
「現在、不良社債が年初から2倍増となっている。
 不良社債の解決は最優先課題だ。」

国家銀行は、各商業銀行に対して貸付額の上限を上げたが、
各銀行とも、自力で資金を貸し付けることができない。
それが、年初から現在までに
資金貸付成長率は2%にしかならない理由である。
各商業銀行とも資金は持っているが、
不良社債が大きく増加しているため、貸出しができないのだ。
ベトナムの銀行ネットワークはヨーロッパとは違う。
ヨーロッパでは、銀行に資金がないため貸し付けることができないが、
ベトナムでは逆の状況である。

IMFと世銀は、ベトナムでの不良社債を調査するために
国家銀行と財務省に積極的な支援を行っている。

中央経済研究所副所長-Nguyen Dinh Cung氏は
「現時点で、経済成長回復に向けどんな政策を適用するかは、
 非常に困難な問題である。
 市場の回復を中心にする場合は、緩和財政政策が中心となるが、
 安易に緩和政策を行えば、経済状況がさらに深刻になるだろう。
 ベトナム経済は回復どころか引き続き衰退状況になる。」と述べた。

Vo Tri Thanh博士は、ベトナム経済は2015年まで不安定な状況が続くが、
その後は発展するが、期待通りにはいかないだろう、と述べた。



サイゴンエコノミックスタイムズ  2012年10月8日

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