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2012年10月15日

ベトナム 貧困層の実態


国は、貧困削減事業が成功裡に実行された、と評価しているが、
現在も貧困生活を送っている人々が、
人口の中で大きな割合を占めている。


Bui Thi Bich Phuong氏は、現在45歳。
毎日貧しい生活を送っている。
Phuong氏には11歳の息子があり、
Thai Nguyen省Dai Tu郡Ha Thuong村に暮らしている。
Phuong氏は毎日朝から夕方まで石炭鉱山で働き、
1日5万ドンの給与を得ている。
仕事が終わると、息子とともに畑に行き川蟹を捕らえ、
運が良い日には蟹売りで3万ドンの収入を得る、
という生活を送っている。
Phuong氏は「朝から晩まで働いても、生活は非常に苦しい」と話す。

重労働と不安定な仕事で、
月200万VNDの収入しか得られない状況では、
Phuong氏自身と学校に通う子供との、
最低の生活を維持していくことさえ危うい。
Thai Nguyen省では、子供1人の生活と養育の最低基準を維持する為には
月328万VNDが必要である、としている。

世界銀行代表Victoria Kwakwa氏は、6月のCG会合の中で、
貧困層の増加に対する懸念を示した。
氏は「近年、ベトナムの貧困削減ペースが落ちてきている。」と述べている。

また、政府機関で働く公務員も厳しい現実に直面している。
内務省公務員給与管理局長によると、
2012年5月時点の、公務員に対する最低給与は
月105万VNDと設定されている。
この数字は、2003年に比べて400%アップしている。
ただ、この額では、最低生活水準の37.5%しか対応できていない。
2012年5月以降、大学卒の公務員の給与は月300万VNDしか支給されていない。
一般企業の給与に比べれば、全く低い。

最も困難に直面しているのは、定年となった公務員達である。
社会保険科学研究院の調査によると、
定年者のうち6.4%が、年金では生活費をカバーできない、
50%が、生活困難と回答している。
こうした定年者の生活資金は、主に子供からの支援に頼る形となっており、
全体の42%を占めている。
次点が、アルバイト収入による補填で、全体の30%。
定年前の預金切り崩しで補填している人は、全体の12.3%に留まる。

ベトナム社会保険会社副社長-Do Thi Xuan Phuong氏によると、
自発的社会保険加入者は2011年には10万人程度であった。
この数は国の人口に比べて非常に少ない割合である。
世界銀行は近々2012年の貧困状況評価報告を発行する予定である。
それによると、世界銀行はベトナムに対し、
新たな貧困基準を適用するとのこと。
それは、653,000VND/人/月(2.24USD相当)となる。
この基準を適用した場合、
ベトナム総人口の約20.7%が貧困層となり、
政府が先日発表した数字の実に2倍となる。

しかし、世界銀行の新基準による数値は、
計画投資省社会労働局の統計と同様である。
同局の統計によると、
現在、国内で貧困生活を送る世帯は480万戸、
全体の22%を占める結果となっている。
これは、都市部で50万VND以下/人/月、
農村部で40万VND以下/人/月の世帯を貧困層とする、
2011年~2015年の基準を用いたもの。

英国の Oxfamと駐ベトナム Action Aidが2007年~2010年にかけて調査を行った。
この時期、ベトナム経済はインフレ急上昇の真っ只中であった。
調査対象となった人のうち9%が、
この5年間で生活状況が悪化したと答えている。
また、16%が1年のうち5ヶ月が食糧不足になる、
栄養不足の幼児が多い(4人のうち一人が栄養不足)と回答、
42%の家族が、上水道の供給を受けられていない、と回答した。



サイゴンエコノミックスタイムズ  2012年10月15日

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