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2012年12月17日

2013年ベトナム経済成長 鍵は日本経済


国家社会経済情報センター(NCEIF)が、
2013年の国内経済成長について、3通りの予測を発表した。
最も良い場はGDP 6.34%成長、CPI 8.2%上昇。
しかし現実的には、GDP 5.68%成長、CPI 7.1%上昇の可能性のほうが高い。


NCEIFの予測の中では、真ん中のパターンが実現の可能性が高い。
それには、EUのユーロ問題に解決の糸口が見えること、
東シナ海の領有権問題が緩和されること、
アメリカ経済が回復すること、
日本経済が2012年と同程度の状況を維持すること、
世界の貿易状況が良くなること、などが前提条件として挙げられている。

上記状況になれば、FDIも増加が見込まれる。
FDIがGDPに対して30.5%達成、
GDP成長率 5.68%、
輸出額成長率 14.6%、
インフレ上昇率 7.1%などの予測となっている。

最良の予測としては、GDP成長率 6.34%、
輸出額成長率 16.3%、
輸出に対する超過輸入額率 6.6%、
インフレ 8.2%という数字も挙げられている。

その場合、EUのユーロ問題が一応解決されること、
東シナ海の領有権問題が解決に向かうこと、
国際経済が良好となり、貿易も成長することなど、
国際的な問題が全て解決に向かうことが前提となる。
さらに、政府が適時柔軟な対策を実施し、
企業の経営不振も改善され、不良債権問題も解決、
FDIやODA資金が、中国やインドといった大国から、
アセアン諸国に移る傾向が強まる、といった
夢のような好転が必須条件だ。

最悪の予測は、GDP成長率 5%、
GDPに対する投資総額 29%、
輸出額成長率 12.8%、
輸出に対する超過輸入額率 2.4%、
インフレ 5.5%、となっている。

この場合の前提は、国際社会が期待通りの回復をしないこと、
EUの公的債務の解決方法が提示されないこと、
中東諸国の戦争状態や領有権問題が激化すること、
日本の経済成長が改善されないこと、
アメリカ経済が期待通り回復しないこと、となる。
この場合、ベトナムの輸出が冷え込むことは避けられず、上記予測となる。

2013年ベトナム経済成長 3つのパターン


2012年予測パターン1パターン2パターン3
世界GDP成長率(%)3.32.83.33.6
ベトナムGDP成長率(%)5.255.686.34
   農林水産2.63.153.273.4
   工業・建設54.966.67
   サービス6.35.86.27
実際のGDP(兆VND)2,9493,2313,3413,417
GDPの構造(%)



    農林水産21.622.121.521.3
    工業・建設40.84039.939.6
    サービス37.637.938.639.1
インフレ7.35.57.18.2
輸出額成長率(%)16.612.814.616.3
輸入額成長率(%)6.7914.620.922.9
超過輸入額/輸出額(%)0.92.46.56.6
投資資金/GDP(%)29.52930.530.5
GDP/人(USD)1,5821,6801,7271,766

FDI調達に期待

NCEIFは、FDIとODAは
アセアンに移る傾向にある、と分析している。

他のアセアン諸国と比べてベトナムは、
政治状態も安定しており、賃金は安い。
政府も投資環境の改善に向けて努力しているため、
FDIやODA資金を得るには有利な点が多い。

2013年の輸出については、
特にEUや韓国等、ベトナムにとって重要な貿易相手国の経済が、
2013年には好転する子と予測されているため、
成長に期待が持てそうだ。

米やコーヒー等、主力商品の輸出先が引き続き安定していることも、
予測を楽観的にしている要因だ。

ただ、2013年の成長予測にはリスクも大きい。

ベトナムにとって最重要の輸出相手国はアメリカと日本だ。
アメリカ経済は今年より若干好転する見込みだが、
日本経済は翌年以降厳しさを増すとの見方も強く、
そうなれば、ベトナムの輸出にも大きな影響がでる。

また、WTOへの加盟条件も実行する必要があり、
ベトナムの輸出商品が競争力を失う危険もある。



InfoTV.net  2012年12月17日

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